『スプリット』で完全復活!M・ナイト・シャマラン映画への賛否両論をラップバトル風にまとめてみた

僕らのM・ナイト・シャマラン完全復活!
密室POVスリラー『ヴィジット』(’15)も全く悪い映画ではなかったが、正直どこか現代風に歩み寄った感は否めなかった。
しかし、監督最新作『スプリット』はトンデモ設定といい、ギャグかホラーか見分けがつかない演出といい、「裏がありそうなことばかり言わせといて実はそのまんま」な展開といい、絶好調時のシャマラン節が満載なのである。
ところで、シャマランといえば好きな人はとことん好き、嫌いな人はとことん嫌いな監督である。シャマランの全てを肯定し、一生ついていくと決めたファンは「シャマラニスト」と呼ばれ、シャマランが「やっちゃった」ときには、しばしば迫害の対象となる。
ここでは、シャマラニストに過去、贈られてきた批判をシャマラニストであるライターが論破してみたい…。
ってそんな後だしジャンケンみたいな記事つまんないですよね?言いたい放題なのはいつだって後攻なんだから。
そこで、「後攻有利」という発想から、「アンチ・シャマランの意見VSシャマラニストの意見」をMCバトル風にしてまとめてみた。判定はこれを読んでくれている人の裁量ということで。BGMにヒップホップのビートを流しながら読むと臨場感を味わえるかも?
第1ROUND 『シックス・センス』はオチだけ映画?
先攻:アンチ『シックス・センス』
Hey Yo
どう見たって過大評価
こんな話じゃかなりNoだ
わかるだろ?この映画はオチのみじゃん
もっといい映画見ればノリノリDance
わかるか?今オチ知って見てみたら
大した映画でもねえって話
当時はみんなを騙してた
今は俺がかましてくわ What’ up!
後攻:MCシャマラニスト
オチ分かってるから大したことない
そんな屁理屈聞いたことない
確かにオチは大切だから
ブルースさんが「絶対バラすな」って言ってるだろ?(1)
みんななんで知ってるの?
見る前からオチがバレるネット時代
確かにググっときゃ手っ取り早い
けどオチ以外もハンパねえトータルテンボス
見逃しちまうのは本末転倒
(1)映画の冒頭に、主演のブルース・ウィリスから「結末を他の人に言わないでください」とのメッセージが出る。
解説
『シックス・センス』(’99)は「オチ以外つまんない映画」と言われがちだが、公開当時の「オチ気になる」騒ぎはすさまじかった。現代ほどSNSや匿名掲示板のネタバレ文化が浸透していなかった時流も大きい。『ユージュアル・サスペクツ』(’95)にせよ『セブン』(’95)にせよ、あの時代だからこその話題作だと考えてから見てほしい。
第2ROUND 『アンブレイカブル』とか『サイン』って自己模倣でしょ
先攻:アンチ『アンブレイカブル』&『サイン』
早くも手を出した自己模倣
シャマラン ハリウッドのイロモノ
結局思わせぶりなプロットで誤魔化して
最後に無理矢理オチつけるだけ
主人公はまるで狂人
人間描写すらも放棄
何がやりたいのかさっぱり
こいつの映画は全部ハッタリ
後攻:MCシャマラニスト
狂人?大いにその通り
かます押韻
だって変な奴らの映画だから仕方ねえ(2)
イロモノでも言わせない四の五の
ていうか「批評性」って言葉知っとこうよ
アーイ?
つまりシャマランにあるのは批評性
ストーリーの再定義 見とけ
浅はかな見方じゃピンボケ
絶対にするなよ思考停止
(2)詳しくはネタバレになるけど、『アンブレイカブル』は明らかに常人離れした人たちの集まりだし、『サイン』主演のメル・ギブソンは常時目がイッちゃってる。その後、福音派向けポルノ『パッション』(’04)を監督したことで妙に納得したものだった。
解説
『シックス・センス』に引き続き発表された『アンブレイカブル』(’00)は「で、前作みたいなオチは?」と叩かれ、『サイン』(’02)は「オチさえつきゃなんでもいいとか思ってね?」と叩かれた。しかし、シャマランの狙いは「オチ」ではなく、映画の「予定調和」を深く追求することだったのではないかと思われる。(『アンブレイカブル』はご都合主義なアメコミヒーローものを下敷きにしているし、『サイン』は「預言」についての物語)
第3ROUND 『レディ・イン・ザ・ウォーター』わけわからん
先攻:アンチ『レディ・イン・ザ・ウォーター』
さっきからしょうもない韻ばっか踏みやがる
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