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『スプリット』で完全復活!M・ナイト・シャマラン映画への賛否両論をラップバトル風にまとめてみた

僕らのM・ナイト・シャマラン完全復活!

密室POVスリラー『ヴィジット』(’15)も全く悪い映画ではなかったが、正直どこか現代風に歩み寄った感は否めなかった。

しかし、監督最新作『スプリット』はトンデモ設定といい、ギャグかホラーか見分けがつかない演出といい、「裏がありそうなことばかり言わせといて実はそのまんま」な展開といい、絶好調時のシャマラン節が満載なのである。

スプリット
(C)2017 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

ところで、シャマランといえば好きな人はとことん好き、嫌いな人はとことん嫌いな監督である。シャマランの全てを肯定し、一生ついていくと決めたファンは「シャマラニスト」と呼ばれ、シャマランが「やっちゃった」ときには、しばしば迫害の対象となる。

ここでは、シャマラニストに過去、贈られてきた批判をシャマラニストであるライターが論破してみたい…。

ってそんな後だしジャンケンみたいな記事つまんないですよね?言いたい放題なのはいつだって後攻なんだから。 

そこで、「後攻有利」という発想から、「アンチ・シャマランの意見VSシャマラニストの意見」をMCバトル風にしてまとめてみた。判定はこれを読んでくれている人の裁量ということで。BGMヒップホップのビートを流しながら読むと臨場感を味わえるかも?

第1ROUND 『シックス・センス』はオチだけ映画?

先攻:アンチ『シックス・センス』

Hey Yo

どう見たって過大評価

こんな話じゃかなりNo

わかるだろ?この映画はオチのみじゃん

もっといい映画見ればノリノリDance

わかるか?今オチ知って見てみたら

大した映画でもねえって話

当時はみんなを騙してた

今は俺がかましてくわ What’ up!

後攻:MCシャマラニスト

オチ分かってるから大したことない

そんな屁理屈聞いたことない

確かにオチは大切だから

ブルースさんが「絶対バラすな」って言ってるだろ?(1

みんななんで知ってるの?

見る前からオチがバレるネット時代

確かにググっときゃ手っ取り早い

けどオチ以外もハンパねえトータルテンボス

見逃しちまうのは本末転倒

 

(1)映画の冒頭に、主演のブルース・ウィリスから「結末を他の人に言わないでください」とのメッセージが出る。

解説

『シックス・センス』(’99)は「オチ以外つまんない映画」と言われがちだが、公開当時の「オチ気になる」騒ぎはすさまじかった。現代ほどSNSや匿名掲示板のネタバレ文化が浸透していなかった時流も大きい。『ユージュアル・サスペクツ』(’95)にせよ『セブン』(’95)にせよ、あの時代だからこその話題作だと考えてから見てほしい。 

第2ROUND 『アンブレイカブル』とか『サイン』って自己模倣でしょ

先攻:アンチ『アンブレイカブル』&『サイン』

早くも手を出した自己模倣

シャマラン ハリウッドのイロモノ

結局思わせぶりなプロットで誤魔化して

最後に無理矢理オチつけるだけ

主人公はまるで狂人

人間描写すらも放棄

何がやりたいのかさっぱり

こいつの映画は全部ハッタリ

後攻:MCシャマラニスト

狂人?大いにその通り 

かます押韻

だって変な奴らの映画だから仕方ねえ(2

イロモノでも言わせない四の五の

ていうか「批評性」って言葉知っとこうよ

アーイ?

つまりシャマランにあるのは批評性

ストーリーの再定義 見とけ

浅はかな見方じゃピンボケ

絶対にするなよ思考停止

 

(2)詳しくはネタバレになるけど、『アンブレイカブル』は明らかに常人離れした人たちの集まりだし、『サイン』主演のメル・ギブソンは常時目がイッちゃってる。その後、福音派向けポルノ『パッション』(’04)を監督したことで妙に納得したものだった。

解説

『シックス・センス』に引き続き発表された『アンブレイカブル』(’00)は「で、前作みたいなオチは?」と叩かれ、『サイン』(’02)は「オチさえつきゃなんでもいいとか思ってね?」と叩かれた。しかし、シャマランの狙いは「オチ」ではなく、映画の「予定調和」を深く追求することだったのではないかと思われる。(『アンブレイカブル』はご都合主義なアメコミヒーローものを下敷きにしているし、『サイン』は「預言」についての物語)

第3ROUND 『レディ・イン・ザ・ウォーター』わけわからん

 

先攻:アンチ『レディ・イン・ザ・ウォーター』

さっきからしょうもない韻ばっか踏みやがる

Writer

石塚 就一
石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。

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