【ネタバレ】『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』人気キャラクターのカメオ登場が見送られた理由とは

映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(2018)では、これまで語れることのなかったハン・ソロの知られざる冒険や、スター・ウォーズの世界における「裏社会」の存在が語られることになった。ところが、公開前から登場が予想されていたある人気キャラクターは劇中で姿を見せない。これについて、『ハン・ソロ』ロン・ハワード監督が理由を明かしている。
若きハン・ソロがいかにして銀河屈指のアウトローとなったかを描く『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』で登場が有力視されていたのは、砂の惑星タトゥイーンに本拠を置く巨大犯罪組織ハット・クランのリーダー、ジャバ・ザ・ハットだ。2017年6月ごろには「ジャバが一部CG、一部パペット」で登場するとの噂も囁かれていた。結局の所、ジャバは『ハン・ソロ』劇中でその名や存在が語られながらも、最後までその姿を見せることはなかった。
ハン・ソロとジャバ・ザ・ハットは深い関係にある。ハンはジャバのもとで仕事をしており、『エピソード4/新たなる希望』(1978)ではジャバに借金があることが分かっていた。『エピソード5/帝国の逆襲』(1980)で生きたままカーボン凍結されたハンは、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)ではジャバの宮殿に送られている。ここで繰り広げられた騒動は、『ジェダイの帰還』中盤のクライマックスとなった。
脚本のジョナサン・カスダンは米ScreenRantのインタビューにて、「確かにジャバは、登場させるべきか非常に議論したキャラクターで、出番も考えていたんです」と語っている。しかし、なぜ『ハン・ソロ』は最終的にジャバの登場を見送ったのだろうか。ロン・ハワード監督は、英Empire誌に対しその理由を語っている。
「ジャバの登場は候補としてありました。でも、出さないだろうなという雰囲気で。理由は、ある意味ファニーになってしまうこと、それから、ちょっと続編っぽくなりすぎるかなと思ったからです。」
つまり『ハン・ソロ』は、旧三部作のひとつの象徴とも言えるジャバをあえて伏せておくことにより、ハン・ソロという男の物語の独立性を強めたい狙いがあったのだろう。鑑賞中、登場に期待した観客も少なくないと思われるが、それでもベケットが「タトゥイーンで大物ギャングがクルーを集めているらしい」と語っただけで、あの巨大で不愉快な姿が脳裏に浮かんだはずである。
デル・トロ監督で『ジャバ・ザ・ハット』スピンオフ?
ところでジャバ・ザ・ハットといえば、ルーカスフィルム/ディズニーがオビ=ワン・ケノービやボバ・フェットのスピンオフ映画計画を保留にする以前、同じくスピンオフ化の噂があったキャラクターだ。これに興味を示しているのが、『ヘルボーイ』(2004)『パンズ・ラビリンス』(2006)や『パシフィック・リム』(2013)『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)など、怪獣・特撮作品の奇才ギレルモ・デル・トロ監督。2015年7月11日付の米Yahoo!Entertainmentにてデル・トロ監督は、ジャバのスピンオフ構想について次のように語っていた。
「『ゴッド・ファーザー』シリーズのような感じで、ジャバ・ザ・ハットがいかに支配力を得たのかを描いてみたい。それに、ジャバの見た目も僕にそっくりだし、僕も好きだし。ジャバみたいなタイプのマフィアは好きですね。」
2017年4月の米Colliderによるインタビューでは、ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長らとアイデアについて語り合ったと明かしているデル・トロ監督。『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』でも語られなかったジャバの闇稼業は、また別の形で明かされる可能性もある。
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は2018年6月29日より全国の映画館にて公開中。
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』公式サイト:https://starwars.disney.co.jp/movie/hansolo.html
Source:ScreenRant, Empire,Yahoo!Entertainment,Collider
Photo By William Tung