『スター・ウォーズ』、『オビ=ワン』『ボバ・フェット』スピンオフ映画の計画を保留に ─ 『ハン・ソロ』興行不振で

米ルーカスフィルムが、スター・ウォーズ』の人気キャラクターを取り扱うスピンオフ映画の計画を保留にしたと報じられた。背景には、2018年5月全米公開の映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の興行不振があると見られる。米Colliderが報じた。

オビ=ワンとボバ・フェット、砂漠に消える

『スター・ウォーズ』からは、これまでにオビ=ワン・ケノービボバ・フェットのスピンオフ映画企画が報じられていたが、共に見通しが立たなくなった。オビ=ワン・ケノービの映画では、『愛を読むひと』(2008)など3作でアカデミー監督賞に連続ノミネートされたスティーブン・ダルドリー監督のもとで進行中と伝えられていたが、既に関係者が企画を離脱しているという。同じく、ボバ・フェットのスピンオフ映画に『LOGAN/ローガン』(2017)のジェームズ・マンゴールド監督が就任、脚本も執筆中だと報じられていたが、やはりこちらの企画もサルラックに呑まれることとなった。


ただしこれは、『エピソード9(仮題)』以降すべての映画企画が立ち消えたというわけではない。ルーカスフィルムは、『最後のジェダイ』(2017)ライアン・ジョンソンが手がけるエピソード9以降の続3部作、およびドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」製作を手がけるデイヴィッド・ベニオフ&D・B・ワイスによる新シリーズを引き続き準備中。現時点のルーカスフィルムは、オビ=ワン・ケノービとボバ・フェットの企画を保留にしたことにより、J・J・エイブラムス監督による『エピソード9』に集中するという。

“嫌な予感がするぜ”

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は、若き日のハン・ソロの知られざる冒険を、オールデン・エアエンライク起用で映画化。2018年5月25日に全米で公開され、国内の初週末興収は8,440万ドル、6月19日付での全世界興収は3億4,329万ドルを記録している。公開後14日間連続で全米ランキング1位を獲得するなどの健闘を見せた。

しかし、この成績は当初の予想を大きく下回る結果となり、初週末興収は同時期に封切られた『デッドプール2』の半分以下、ディズニー製『スター・ウォーズ』映画としては史上最低額での発進となっていた。ファンの評価が大きく分かれた『最後のジェダイ』公開からわずか5ヶ月での公開となった『ハン・ソロ』に、本国では「スター・ウォーズ疲れ」を指摘する声があげられていた。

本国では、『ハン・ソロ』劇場鑑賞を見送るファンも多かったと伝えられている。その理由の一つとされるのが、本作製作中に聞こえてきたトラブルによるネガティブ・イメージだ。もともと『ハン・ソロ』は、気鋭の若手監督コンビ、フィル・ロード&クリス・ミラーによるエッジの効いた作風で製作が進められていたものの、本撮影の後半になって「創作上の相違」により降板。後任として、堅実な職人肌を持つロン・ハワード監督が就任していた。

スピンオフシリーズとしては前作となる『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)でも、同様の騒動があった。『ローグ・ワン』では、大規模作品の監督経験として『GODZILLA ゴジラ』(2014)しか持たない新鋭ギャレス・エドワーズを監督に配したものの、製作上のトラブルによりトニー・ギルロイが再撮影パートを代わって主導。トニーが後に語ったところによれば、「混乱していて、散らかっていた」「それはもう酷い、酷い状況だった」という。

またルーカスフィルムは、『ジュラシック・ワールド』(2015)のコリン・トレボロウ監督を「プロジェクトに対するヴィジョンが異なる」として『エピソード9』から降板させ、『フォースの覚醒』(2015)J・J・エイブラムス監督を呼び戻している。この内情として、キャスリーン・ケネディ社長がトレボロウの脚本に不満を抱いていた、書き直しを認めなかったとの情報が伝えられていた。

 

あくまでも噂だが、Star Wars News Netが関係者から得た情報によれば、ルーカスフィルムはこれまでの学びから方針を改めたという。今後は1度にひとつの作品に集中すること、および未知の若手フィルムメーカーの起用は控え、折り紙付きのベテランに頼るというのだ。

『ハン・ソロ』や『ボバ・フェット』といった期待の企画が一旦立ち消えたものの、ルーカスフィルム/ディズニーは今後、ライアン・ジョンソン監督による続三部作、「ゲーム・オブ・スローンズ」製作コンビによる映画新シリーズ、ジョン・ファヴローによる実写TVドラマシリーズ、アニメ『スター・ウォーズ レジスタンス』の企画を計画中。このラインナップから、ルーカスフィルム/ディズニーは過去作の要素を回生するよりも、むしろ独自の新たなサーガを集中して展開させたい意向が感じられる。

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』日本公開は2018年6月29日(金)。スピンオフ作品としてはしばらくの間、本作が見納めになる?

[続報]
ルーカスフィルムは米ABC Newsに対して、この報道が「不正確」であるとのコメントを発表している。詳しくはこちらの記事をご覧いただければ幸いである。

ルーカスフィルム、『スター・ウォーズ』スピンオフ映画保留報道は「不正確」と発表 ― 全面否定には至らず

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』公式サイト:https://starwars.disney.co.jp/movie/hansolo.html

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THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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Comments

  • Jedi1125 2018年6月21日 at 12:55 PM

    ハン・ソロファンには悪いが、元々SWはスカイウォーカーの物語。
    新三部作ではハンソロもそのファミリーと言えばそうだが、根本にあるのはフォースユーザー、
    つまりジェダイの資質を持つ者(シスも含まれる)の物語が基本だと思う。
    SWスピンオフは難しい題材だと思うが、「ローグ・ワン」は成功したと思う
    しかし「ハン・ソロ」の前日譚を見たいと誰が言い出したのかは理解に苦しむところ。
    そのおかげでみんなが一番、期待している「オビ・ワン」まで保留って。
    ユアン・マクレガーがまだ若いうちに撮影をスタートして欲しい。彼は元々本流の人なんだから。

    それにしてもハン・ソロをサマーシーズンに当ててアベンジャーズに対抗するには
    役者が足りな過ぎでしょ。
    同じグループ会社なのだからマーケティングの時点でどうだったんだろう。

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