故スタン・リー、CG蘇生でのカメオ出演は「あるかも」 ─ サミュエル・L・ジャクソン、マーベル映画の〈俳優3Dスキャン〉明かす

2018年11月12日にこの世を去ったアメコミ界の巨匠スタン・リー氏は、もしかすると“CG蘇生”によって今後の映画に登場するのかもしれない。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のニック・フューリー役で知られるサミュエル・L・ジャクソンが語った。
スタン氏といえば、MCUの全作品をはじめ数々のマーベル映画にカメオ出演して世界中の観客に親しまれてきた人物。生前に撮影されたカメオ出演シーンが、今後どの作品まで残されているのかも訃報後の話題となっていた。
シンガポールで開催された『キャプテン・マーベル』のイベントで、サミュエルは『キャプテン・マーベル』におけるスタン氏の出番を知らされていないこと、それは過去の作品でも同じだったことを明かしつつ、マーベル映画とスタン氏の今後について話している。

マーベルの取り組む「俳優の3Dスキャン」とは
「彼がいなくなって寂しくなります」。サミュエルはそう口にしてから、マーベル・スタジオが取り組んでいるという、ひとつの作業について述べはじめた。
「僕が思うのは…僕たちがスキャンされているのと同じ方法で、今後も彼はすべてのマーベル映画に出られるかもしれないってことですね。みなさん、ビックリするでしょう。“死んだと思ってたのに、いつ撮ったの?”って(笑)。きっとマーベルは、スタンの素材をたくさん撮っていると思いますよ。だって、僕たちはみんなスキャンされてるんですから。」
「僕たちはスキャンされている」とは一体どういうことなのか。同じくイベントに登壇していたキャプテン・マーベル役のブリー・ラーソンは、その作業について「100台くらいカメラがある部屋があって、そこでスキャンされるんです。まるで身体の3Dスキャンですね、ホログラムが作れそう」と説明した。
『スター・ウォーズ』を製作するルーカスフィルムは、2018年4月、すでに俳優のスキャンを実施していることを認めている。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)で視覚効果を担当したベン・モリス氏は、「主な俳優は全員スキャンしています。必要なのかどうかはわかりませんが、アーカイブとしてスキャンするのではありません。追って参照するためのものです」と述べたのだ。ちなみにルーカスフィルムは、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)で故ピーター・カッシングを“CG蘇生”させて観客を驚愕させた。その一方、この方法には倫理的問題があるとも指摘されている。
マーベル・シネマティック・ユニバース作品を製作するマーベル・スタジオと、『スター・ウォーズ』を手がけるルーカスフィルムの共通点は、ともにウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下にあるということだ。ディズニーは現在、出演者をスキャンしてデータを保存する取り組みを進めているとみられる。
こうした動きからか、老境に入りつつある俳優たちは、時折自身の“CG蘇生”について言及することがある。『キャプテン・マーベル』で1980年代の姿を“CG復元”されたサミュエルは、死後に行われるかもしれない“CG蘇生”についても「最高だね」とコメント。『スター・ウォーズ』ルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルも賛成の意を表した。しかし、仮にスタン氏が早速CGで復活するとして、観ている側はそれを素直に受け入れられるだろうか…?
なお、スタン氏は生前に『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)の出演シーンを撮り終えていたとのこと。『キャプテン・マーベル』については不明だったが、サミュエルの発言を聞くかぎり、おそらく本作にも出番はありそうだ。『エンドゲーム』に次ぐ『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)の撮影が終わっていたかどうかは明らかになっていない。
映画『キャプテン・マーベル』は2018年3月15日(金)全国ロードショー。
『キャプテン・マーベル』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-marvel.html
Source: ABC News