クエンティン・タランティーノ、監督引退作は「エピローグ」に ─ 最新作『ワンハリ』は「クライマックス」

『レザボア・ドッグス』(1992)『パルプ・フィクション』(1994)などの名作で知られるクエンティン・タランティーノは、長編10作目をもって映画監督からの引退を公言している。「最後から2作目」となる第9作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のプロモーションで訪れたロシア・モスクワにて、タランティーノは次回作を「エピローグ」とする意向を語った。
米The Hollywood Reporterによると、タランティーノはモスクワでの記者会見にて、「すべての映画でひとつの物語を語っているとして、それぞれの作品はお互いに繋がり合った貨物列車のようなものなのだとしたら、今回の映画は目を見張るクライマックスということになります」と発言。そして、いずれ来る10作目については「もう少しエピローグ的な作品になるでしょう」と話した。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は、タランティーノ自身が幼少期を過ごした1969年のハリウッドを舞台に、カルト指導者チャールズ・マンソン率いる「マンソン・ファミリー」による女優シャロン・テート殺人事件を軸に、レオナルド・ディカプリオ演じるテレビ俳優リック・ダルトンと、ブラッド・ピット演じるクリフ・ブースを通して、過渡期を迎えた業界と土地の光と影を映し出す。タランティーノは当時について「人生をかけてリサーチした」といい、5年を費やして脚本を執筆。まさにキャリアにおける「クライマックス」というべき渾身の一作だ。

そんな最新作の日本公開を控える中、いささか気が早いというものだが、タランティーノにとっての「エピローグ」とはどんな作品なのか。すでに「宇宙版パルプ・フィクション」を自称する『スター・トレック』最新作(タイトル未定)が始動しているほか、『キル・ビル』シリーズ(2003-2004)の第3作や『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)の続編企画も存在するという。ただし、これら3作のうちどれかをタランティーノが監督するのか、あるいは脚本・プロデュースに徹して監督は誰かに任せるのかはわからない。逆にいえば、タランティーノが「エピローグらしい」と認める映画こそが10作目にふさわしいということだが…。
映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は2019年8月30日(金)全国ロードショー。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』公式サイト:http://www.onceinhollywood.jp/
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Source: THR