映画『トランスフォーマー』シリーズは、初めての前日譚（プリクエル）となる『バンブルビー』を経て、大きな変化を経験することになりそうだ。

シリーズのプロデューサーを務めるロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ氏が、米/Filmにて『トランスフォーマー』のリブート説を否定、今後の構想を明かした。

映画版『トランスフォーマー』、リブートではなく変化へ

2018年前半、『トランスフォーマー』シリーズがリブートされるという説が海外メディアやファンの間では大きな話題を呼んでいた。
2月には米ハズブロ社が『バンブルビー』をもって『トランスフォーマー』シリーズをリセットするとの意向を示し（のちに否定）、パラマウント・ピクチャーズは『トランスフォーマー／最後の騎士王』（2017）の続編となるシリーズ第6作の公開予定を白紙撤回したのである。

一連のリブート説について、ボナヴェンチュラ氏は「“リブート”という言葉は嫌いなんです、どういう意味なのかきちんと理解していないので」と口にした。確かに近年、事実上の続編映画であっても、出演者が一新されれば「リブート」と形容されることは少なくない……。

「『トランスフォーマー』の新しい大作映画を作る予定ですよ。ただし、今まで作ってきたものとは違うものになるでしょう。過去の要素を検討して、“これはやめよう、あれはやめよう”とか、そういうことではありません。むしろ、どうやってファンのみなさんが味わう体験を発展させるのか、ということですね。新しい体験をしてほしくて。」

ここでボナヴェンチュラ氏は、一度は白紙撤回された『トランスフォーマー』シリーズの新作映画を製作する方針をはっきりと明言している。ただし、いずれ作られる次回作は過去の『トランスフォーマー』とは大きく異なるものになりそうだ。

シリーズの転機は『バンブルビー』

決断の背景には、シリーズの過去作品を手がけてきた“破壊王”マイケル・ベイ監督ではなく、『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』（2016）のトラヴィス・ナイト監督を起用した『バンブルビー』の存在がある。シリーズに新風を吹かせた本作は、製作陣にも新たな気付きを与えるきっかけとなった。

「『トランスフォーマー』の次回作をどんな作風にするのか、『バンブルビー』で学んだことがありました。（『バンブルビー』を）コピーするということではなく、学んだことがあったんです。このシリーズで何ができるのかという点において、もともと私たちが考えていた以上に、『トランスフォーマー』には自由があるんだと思いました。」

またボナヴェンチュラ氏は、シリーズに今後訪れる変化について、このように抱負を語ってもいる。

「シリーズの1作目を作った時、最初は反対が多かったんです。それ以前とは違うことをしていたので。でも、以前と同じことをしても“うーん、これは見たことあるな”って思われるでしょう。だから、“どうやって進化させるのか”という問題は一番難しいと思うんです。みなさんが大好きな部分は残さなきゃいけないけれども、同じ体験では飽きられてしまいますからね。」

ところで『トランスフォーマー／最後の騎士王』では、続編の展開に関わる重大な要素もいくつか示唆されていた。しかしボナヴェンチュラ氏は、それらの扱いについては「もうやらないというわけではないですけど…」と述べ、あえて明言を避けている。これから『トランスフォーマー』がどこへ向かっていくのか、大きな転機となった『バンブルビー』をきちんとチェックしておきたい。

映画『バンブルビー』は、2019年3月22日（金）全国ロードショー。

『バンブルビー』公式サイト：https://bumblebeemovie.jp/

Source: /Film