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【ネタバレ】『ザ・フラッシュ』衝撃のカメオ解説、マルチバースが実現した奇跡とは ─ 関係者「ひっくり返るかと思った」

ザ・フラッシュ
(c)2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved (c) & TM DC

この記事には、映画『ザ・フラッシュ』のネタバレが含まれています。

ザ・フラッシュ
© 2023 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved © & TM DC

マルチバースが実現させた「奇跡」
ニコラス・ケイジ版スーパーマンの登場

『ザ・フラッシュ』の終盤、ゾッド将軍(マイケル・シャノン)の地球襲撃に、2人のフラッシュ/バリー・アレン(エズラ・ミラー)とバットマン/ブルース・ウェイン(マイケル・キートン)、スーパーガール/カーラ・ゾー=エル(サッシャ・カジェ)は果敢に立ち向かう。しかし、バットマンとスーパーガールはあえなく倒れ、フラッシュは滅亡を防ぐため、再び過去に戻るのだ。しかし、何度繰り返しても2人の死は変わらない……。

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何度もタイムトラベルを繰り返すうち、やがて複数の時系列(マルチバース)が、バリーのいる時系列に近づき、衝突しようとする。別の宇宙にいたのは、クリストファー・リーヴ演じるスーパーマンや、ヘレン・スレイター演じるスーパーガール、1951年のドラマ版「スーパーマン」に登場したジョージ・リーヴスらのほか、ニコラス・ケイジ演じるスーパーマンだ。彼こそ、『ザ・フラッシュ』とマルチバースのもたらした奇跡。約25年前、ケイジはスーパーマンを演じる予定だったのだ。

ニコラス・ケイジ主演のスーパーマン映画『Superman Lives(原題)』は、1996年に企画が動き出し、マイケル・キートン版『バットマン』(1989)『バットマン リターンズ』(1992)を手がけたティム・バートン監督が就任。コスチュームまで製作されたが、1998年にワーナー・ブラザースは製作を断念した。以来、ケイジ演じるスーパーマンは幻のものとなっていたのである。

もともとコミックの大ファンで、実の息子にスーパーマンの本名「カル=エル」と名付けたことでも知られるケイジ。2023年3月には、米Varietyにて、自身がバートン監督の『バットマン』シリーズや『マーズ・アタック!』(1996)の大ファンだったこと、それゆえ『Superman Lives』の監督に熱望したことを明かしていた。「サムライみたいな黒髪のロングヘア、80年代風のスーパーマンでした。“エモ・スーパーマン”という感じで、ユニークなものになると思っていたけれど実現できなかったんです」と当時を振り返っている。

ニコラス・ケイジ
Photo by Gerald Geronimo https://www.flickr.com/photos/g155/5977301530

キートン版バットマンの復活をはじめ、ティム・バートンへのオマージュが込められた本作では、幻となったニコラス・ケイジ版スーパーマンもついに実現。監督のアンディ・ムスキエティは、Esquireの取材にて「ニック(ニコラス)は本当に素晴らしかった。カメオの役柄だったのに全力を尽くしてくれたんです」とケイジの仕事ぶりを語っている。「ずっと彼と仕事がしたいと思っていました。またすぐにご一緒できることを願っています」

実は、『ザ・フラッシュ』にケイジ演じるスーパーマンが登場することは以前から示唆されていたもの。2020年8月、フラッシュ役のエズラ・ミラーは「フラッシュとニコラス・ケイジが出会って欲しい」と発言(しかしこの時は「ニコラス・ケイジ本人役で」とも述べていた)。2022年3月には、ケイジ自身が「まだチャンスはあるかもしれません」と口にしていたのである。

ところで、ケイジ版スーパーマンの実現に熱狂したのはDC作品のファンだけではなかった。『Superman Lives』の脚本家として当時起用されていた、『クラークス』『ジェイ&サイレント・ボブ』シリーズのケヴィン・スミスは、この知らせを聞くや大興奮したそう。「ひっくり返るかと思った、本当にうれしかった」といい、率直な心境をこう語っている。

「(『Superman Lives』を執筆していた)過去に戻って、27歳のケヴィンに、“お前が執筆している映画は実現しない。だけどいつの日か、良い映画の中で登場することになるからな”って言ってやりたいです。」

しかしながら、過去を変えると現在も変わってしまうことは『ザ・フラッシュ』でご覧いただいた通りである。

映画『ザ・フラッシュ』は2023年6月16日(金)より公開中

Sources: Esquire Middle East, Variety, The Messenger

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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