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『ザ・フラッシュ』続編の脚本が既に完成していることが明らかに ─ DC/ワーナー、マルチバース導入へ尽力か

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット
JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and (c) DC. Zack Snyder's Justice League (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

2023年6月23日US公開予定のDC映画『ザ・フラッシュ(原題)』の続編映画の脚本が、早くも執筆されていたことがわかった。米The Hollywood Reporterが伝えている。

『ザ・フラッシュ』は、『ジャスティス・リーグ』(2017)などに登場したエズラ・ミラー版フラッシュ/バリー・アレン初となる単独映画。DCエクステンテッド・ユニバースにマルチバースをもたらす重要作とされる一方、主演ミラーの度重なるスキャンダルや逮捕、裁判騒動によって先行きが不安視されているものでもある。

現時点でワーナー・ブラザースから『ザ・フラッシュ』公開に関する変更の意向は伝えられておらず、むしろエズラからワーナーへ対する謝罪や、再撮影、作曲作業の完了など、予定通りの公開を死守したい意向が見て取れる。

伝えられるところによると、『ザ・フラッシュ』が成功した場合に備えて、既に続編の脚本が手掛けられているとのこと。この脚本では『アクアマン』(2018)とその続編『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』のデヴィッド・レスリー・ジョンソンが担当したという。『アクアマン』続編では、マルチバースを通じて出現したマイケル・キートン版バットマンが登場する予定だったとの情報があり(後に整合性を省みてベン・アフレックに交代になったと見られる)、DC版マルチバースの調整役としての起用だったと推測される。

現時点で懸念材料が付き纏う『ザ・フラッシュ』でありながら、早くも続編も視野に入れた具体的な動きが見られることから、ワーナーがいかに『ザ・フラッシュ』を重要視しているかがわかる。同社『ファンタスティック・ビースト』シリーズで、後に正当性が明らかになったジョニー・デップを降板させた例とは対照的だ。スタジオによるミラー擁護とも取られる姿勢は少なからず批判を招いており、俳優のイッサ・レイがSNSで「エズラ・ミラーの件はハリウッドの縮図。犯罪を繰り返し、酷い行いをしているのに、製作を中止するのではなく、むしろ守ろうとしている」と指摘したことは、各メディアで取り上げられ話題を呼んだ。

DC/ワーナーが『ザ・フラッシュ』にかくも熱心なのは、同作にマルチバースという仕掛けがある故だろう。ライバルのマーベル・シネマティック・ユニバースはマルチバースの概念を導入し、過去作のキャラクターを蘇らせることで往年のファンにも力強くアピールした。DC作品はマイケル・キートン版バットマンはじめ過去作のライブラリやドラマシリーズ、さらに『ジョーカー』『THE BATMAN-ザ・バットマン-』といった関連作の数が、むしろマーベル映像作品よりも潤沢にある。マルチバースを使ってこれらを活用することができれば、DC/ワーナーにとって強力な武器になるだろう。今後のDCユニバースを興隆させるための再スタート作として、『ザ・フラッシュ』には社運がかけられていると見られる。

一方、主演のエズラ・ミラーは2022年5月に起こした重罪強盗容疑での裁判の真っ只中。最長で26年の禁固刑の可能性が浮上した。判決は2023年まで持ち越されることになるが、無罪になったとしても、ミラーが『ザ・フラッシュ』のPR活動に積極的に参加できるとは少々考えにくい。『ザ・フラッシュ』は2023年6月23日US公開予定だ。

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Source:The Hollywood Reporter

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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