『MEG ザ・モンスター』徹底解説 ─ ジェイソン・ステイサムvs巨大ザメのあらすじ、小ネタ、出演者まで


太古の巨大ザメ「メガロドン」とは
約1,800万年前から約150万年前に実在したとされる、史上最大級のサメ。全長はなんと23メートル、これは大型バス2台分に匹敵する。映画公式サイトには、「巨大なホオジロザメを丸呑みする」「MEGの歯は人間の手のひらと同じ大きさで、それが276本ある」「MEGの顎の幅は3.3メートル以上ある。それは人間の平均身長の約2倍である」「サメは1日に23キロ MEGは1,100キロ食べる」といった化物のような情報が紹介されている。
メガロドンの1日の必要摂取カロリーは850,000Kcalとのこと。ある研究によると、成人男性を1人まるごと食べて得られるカロリーは81,500kcal。人間だけを食べるとすれば、単純計算で1日およそ10人分ということになるから、メガロドンにとって人間はちょっとしたチョコバーくらいの感覚であろう。

温暖な海域に生息していたと考えられ、メガロドンの歯は南極大陸を除く全ての大陸で発見されているという。絶滅の理由には諸説あり、海水温の低下や、捕食するクジラが寒冷海域に逃げ込んだためとするものや、シャチの祖先やホオジロザメなどの競合種に淘汰されたとの考えもある。
江戸時代の日本では出土したメガロドンの歯の化石が「天狗の爪」と考えられ、伝説や信仰の対象ともなっていた。
『ジュラシック・パーク』との共通点
古代の巨大生物と人間が激突するパニック映画とあって、『ジュラシック・パーク』と比較する声もある。実際にジョン・タートルトーブもこの点を意識しているようだ。「『ジュラシック・パーク』はタイムトラベル映画。人間がタイムトラベルするでなく、モンスターが時間を越えて来る。そこが面白い。本作も話は同じです」。
ちなみに『ジュラシック・ワールド』(2015)にも他の恐竜を丸呑みにする巨大海洋恐竜「モササウルス」が登場するが、こちらのデータ上の体長は約16〜17メートル。メガロドンは23メートルほどあったとされるから、モササウルスよりデカい。
笑ってはいけない海水浴場シーンの難しさ

見せ場のひとつとなるのが、三亜湾の海水浴場に現れたメガロドンが、大量の海水客を襲い出すシーン。のんびりバケーション気分の人々の元にサメが到来するという、これぞサメ映画の醍醐味のような場面だが、舞台は中国。とにかく人が多いとあって撮影も一筋縄ではなかった。
監督によれば、「まず最初にやったのは、メガホンを使って北京語で叫べる人を雇うこと」。そして最も難しかったのが、「サメが来てるから、命がけで泳いでくれと大量の人(=エキストラ)に指示しても、そのうち500人くらいはニヤけてたり笑ったりしちゃう」というものだ。その後の編集工程で、エキストラ一人ひとりの「間抜けな顔や笑顔」を描き変えるのが非常に大変だったという。
サメ映画元祖『ジョーズ』へのオマージュ
タートルトーブ監督は本作にサメ映画の起源『ジョーズ』(1975)ネタがあることを認めており、「分かりやすいのもあるし、とても個人的なものもある」と明かす。「“怒られないかな?”ってちょっとビビったやつもあります。でも、サメ映画をやるんだったら、“これ『ジョーズ』じゃね”って言われるのは避けられないし」。