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『運び屋』88歳、巨匠イーストウッドが創作と演技の秘訣明かす ─ 「自分に負荷を課す作品、言えなかったことを言える作品が必要」

運び屋
©2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

『許されざる者』(1992)『ミリオンダラーベイビー』(2004)の巨匠クリント・イーストウッドによる最新作、実話サスペンス映画『運び屋』が2019年3月8日(金)に全国公開される。

イーストウッドが監督・主演を務めるのは、『グラン・トリノ』(2008)以来、実に10年ぶり。このたび、イーストウッドが『運び屋』と自分自身について語る3分間の特別インタビュー映像が到着した。主人公のキャラクターや出演者の重要性、創作と若さの秘訣…。捜査官を演じたブラッドリー・クーパーらとのメイキングシーンも盛り込まれた貴重な映像だ。

イーストウッドが本作で演じた主人公は、退役軍人で事業に失敗して運び屋となったアール・ストーン。その性質について、イーストウッドは「まるでロビン・フッドみたいだ。違法なことで金を稼いでいるが、困っている人を助ける慈善家でもある」と分析する。

しかし、運び屋としての“旅路”は決して一筋縄ではいかない。「良くなる前に悪くなる。最終的には、家族の大切さに気付き変化するんです」。だが、主人公アールは「孤独も嫌いじゃない」のだ。「だから一人旅に出かけることも多い。麻薬カルテルは、一度も捕まらず、スピード制限も守る彼を気に入る。運び屋としては完璧だからね」。

運び屋
©2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

アールを取り巻くキャスト陣は、もちろんそれぞれに重要な役割を担っている。「キャスティングは映画製作の重要な部分だ。ぴったりのキャストを選べば、すべてうまくいく」というイーストウッドは、麻薬捜査官役のブラッドリー・クーパー&ローレンス・フィッシュバーン、マイケル・ペーニャ、麻薬組織のボスを演じたアンディ・ガルシアという充実したキャスティングについて「大満足だよ」と話した。

「ドラマや映画で役柄を演じる面白さは、感情やアイデアが湧き出してくること。頭で考えるより、内面の声を聞くべきなんですよ。基本的には、観客に心を伝えることだと思います。」

なかでも重要なキャラクターは、クーパー演じるコリン・ベイツ捜査官だ。「誰がコカイン販売を牛耳っているかを探っているが、探すべき相手がわからない。最後には誰だかわかるが、追いつ追われつのサスペンスが展開するんです」。

運び屋
©2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

俳優として60年余のキャリアをもつイーストウッド自身、つねに挑戦を続けている。アールを演じることで、同世代はもちろん若者たちにもメッセージを伝えられるからこそ、イーストウッドはこの役を自ら演じると決めたというのだ。

「若い時はたくさん役を演じ、中には社会的価値のあるものも、アクション満載の娯楽作品だけのこともある。いろいろな機会がある。でもある段階に達したら、少し自分に負荷を課す作品を探すことも必要です。言えなかったことが言えるような作品を選ぶこともね。」

そんなイーストウッドは、『運び屋』のメインテーマを「学ぶことに年齢は関係ないということ」だと述べる。「年を取っても学べる。学びながら、人に教えることもできる」と。「私はいつも異なるタイプの物語に興味がある。西部劇でも現代劇でも、どんな作品でも、ずっと新しいもの、脳を刺激するものを探そうとしてきたし、この作品も同じです」

かつて『父親たちの星条旗』『硫黄島からの手紙』(ともに2006)では日米双方の視点から第二次世界大戦を描き、『ジャージー・ボーイズ』(2014)ではミュージカルを、『15時17分、パリ行き』(2017)では事件の当事者を出演させるという演出で世界を驚かせたイーストウッド。果たして『運び屋』では、どんな驚きを見せてくれるのか?

なお、本作のエンディングにはトビー・キースの楽曲『Don’t let the old man in』が使用されている。実はそのきっかけは、イーストウッドとキースがゴルフをしていたことだったという。「彼が若さの秘訣は何かと聞いてきたので、“絶対に年寄りだと思わないことだ”と答えました。すると彼が、“そうか、今の言葉で何か作ってみよう”と言ったんだ」。

映画『運び屋』は2019年3月8日(金)全国ロードショー

『運び屋』公式サイト:http://www.hakobiyamovie.jp

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THE RIVER編集部THE RIVER

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