トム・クルーズ宇宙に行く ─ NASAも「楽しみ」、アクション映画史上初の宇宙ロケへ

『ミッション:インポッシブル』シリーズで常人離れしたスタントに挑んできたトム・クルーズが、宇宙でアクション映画を撮影する……。2020年5月5日(日本時間)、そんな衝撃的なニュースが飛び込んできた。
トムの宇宙行きは、以前から噂されていたものだ。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』(2015)では離陸する飛行機への貼り付き、『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)ではヘイロージャンプやヘリコプターの操縦、骨折負傷が伴ったジャンプなどの派手なアクションが話題を呼んだトムは、よりスケールの大きなアクションを求めて「宇宙に行くのも時間の問題」と囁かれていた。トムはメディアから「宇宙行きのミッションはいつ頃になるでしょうか?」と尋ねられることも。驚くべきことにトムは、「どうやって宇宙のシーンを作るのか、どれくらいの長さのシーンが作れるのか」とまんざらでもない様子を見せながら、既に検討したことがあると明かしたこともある。
ところが、最近のシリーズを手掛けるクリストファー・マッカリー監督はこの可能性を否定。現在準備中のシリーズ次回作(2部作になると言われている)では「宇宙に行かない」と断言し、トムにはまだまだ地球でやれることが沢山あると語っている。まぁ、「地球でやれることがある」という途方も無い言葉が通用するのは、サイヤ人かトム・クルーズくらいのものだろう。
新たに明らかになった宇宙撮影の新作映画は、『ミッション:インポッシブル』とは別物。イーロン・マスク率いる宇宙開発企業SpaceXと、NASAと共に計画を練っている最中だという。報じたのは米Deadlineで、直後にNASAのジム・ブライデンスティン理事もTwitterでこれを認めた。「宇宙ステーションでトム・クルーズと映画の仕事をするのが楽しみです!」NASAにとっては、「野心的な計画を実現するため、新世代のエンジニアや科学者をインスパイアできる」ことを見込んでいるという。SpaceXのイーロン・マスクもこの投稿に「楽しくなりそう!」と返信。ちなみにイーロン・マスクは電気自動車テスラのCEOでもある天才実業家で、映画『アイアンマン』トニー・スターク実写化の際にもモデルになったとされる人物だ。
ところで、宇宙空間で映画が製作されるのはこれが初めてではない。史上初となるのは、2012年の『Apogee of Fear(原題)』という短編SF映画だ。『ウルティマ』シリーズで知られるゲームクリエイターで宇宙マニアのリチャード・ギャリオット氏が、NASAの元宇宙飛行士だった父と共に2008年10月に国際宇宙ステーションに旅行した際に撮影された。他の宇宙飛行士(つまり役者としては素人)に演技を頼んだ8分間の短編作品で、無重力空間に身を置く人物の姿がおさめられている。もっともこちらは自主制作としての性質が強いので、トム・クルーズのものが商業映画として、そしてアクション映画として史上初になることだろう。
「宇宙で録られた」映画となれば、その物珍しさに人々はこぞって劇場に詰めかけるだろう。するとトム・クルーズは、1970年大阪万博で大行列を巻き起こした「月の石」の人間版のような存在になりそうだ。
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