『トロン』続編企画の脚本すでに完成、ダフト・パンク続投への検討も ─ ディズニー音楽部門の責任者「ついに機が熟した」

ディズニー映画『トロン:レガシー』(2010)の続編企画が水面下にて進行しているようだ。前作で監督を務めたジョセフ・コシンスキー監督は「シリーズ継続のためのアイデアも十分に揃っている」と話していたが、なんと現在すでに脚本が完成しており、前作『トロン:レガシー』(2010)で音楽を担当したダフト・パンク続投への検討も行われているのだという。
1982年に公開された第1作『トロン』は、世界で初めて全面的にCGを駆使したアニメと実写を織り交ぜて描いたことで話題となった作品。28年後の2010年に第2作『トロン:レガシー』が公開されている。以降、ジャレッド・レト出演でのリブート企画や「Disney+」でのドラマ化企画などの情報が伝えられており、直近では、2020年4月にコシンスキー監督が続編に関する話し合いの存在を認めていたが、いずれも具体的な実現までの言及はされていない。
今回続編の可能性について言及したのは、米ウォルト・ディズニー・スタジオの音楽&サウンドトラック部門の最高責任者ミッチェル・リーブ氏。いわば内部の人間であるリーブ氏が米ポッドキャストLight The Fuse に話したところによれば、『トロン』続編企画の「素晴らしく並外れた脚本がある」のだという。さらに、前作の劇中音楽全てを手がけたダフト・パンク続投への検討も行われている模様。「『トロン』の続編『トロン3』を作るという会話をさらに進めるためにポール・ハーン(ダフト・パンクのマネージャー)とランチに行きました」とリーブ氏は話しているのだ。
ディズニーは2019年11月に独自の動画配信サービスDisney+を開始して以降、同サービス上でのオリジナル・コンテンツ製作に力を注いでいる。『スター・ウォーズ』初の実写ドラマシリーズ「マンダロリアン」(2019-)が人気を博すなど、こうしたDisney+の可能性をリーブ氏も見出しているようで、「大作映画の世界では小規模な映画は作らず、基本的に何億ドルもヒットした映画しかやりません」と述べた上で、「Disney+ならシリーズを発展させて、私たちが作れるコンテンツにさらに多様なものを取り入れることができると思います」と語っている。
第2作『トロン:レガシー』は1.7億ドルの製作費に対して、北米興収1.7億ドル、累計世界興収4億ドルと、大ヒットとまでは言えない結果となっている。こうした中、リーブ氏は『トロン』シリーズについて「数年前だったらタイミングが良くないと思っていましたが、ついに機が熟したような気がします。前作からの教訓も学びましたからね」とDisney+での配信を示唆した。
ここで注目すべきは、音楽部門の人間がすでに脚本を確認し、さらには劇中音楽の制作の検討をすでに開始しているということ。「ついに機が熟した」というリーブ氏の言葉からも、内部では続編企画への積極的な動きがあるのかもしれない。ちなみに、2017年10月時点で話し合いに参加していたというジャレッド・レトと、コシンスキー監督の関与は明らかになっていない。
Source: Light The Fuse