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スター・ウォーズとマーベル映画の違いとは?『マイティ・ソー バトルロイヤル』監督、自身の考えを明かす

タイカ・ワイティティ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36201776766/

『スター・ウォーズ』シリーズを手がけるルーカスフィルム、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を指揮するマーベル・スタジオは、ともにウォルト・ディズニー・カンパニーの傘下にある企業である。ハリウッドで比類なき存在感を放つ2つのシリーズ/ユニバースには、どうやら大きな違いがあるようだ。『マイティ・ソー バトルロイヤル』のタイカ・ワイティティ監督が語っている。

『スター・ウォーズ』なら「1週間以内にクビ」

2017年6月、『スター・ウォーズ』のスピンオフ作品『ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(原題:Solo: A Star Wars Story)』からフィル・ロード&クリス・ミラー監督が降板したというニュースが報じられた。関係者によれば、両監督は同作で脚本に縛られない即興の演技やアドリブを採用し、ベテラン脚本家やプロデューサーの怒りを買うことになったといわれている
しかし即興演技やアドリブを重視するという作り方は、時を同じくして、マーベル・スタジオ作品『マイティ・ソー バトルロイヤル』でワイティティ監督が採用していた方法だった

ワイティティ監督は、ハリウッドの大作アクション映画、ヒーロー映画に抜擢される人物としては珍しい、独特のユーモアセンスにあふれた作家性の持ち主である。即興演技を重視する方法は、監督がかねてより自分の作品に導入してきたスタイルだったのだ。

2017年9月、『ソロ』につづいて『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』からコリン・トレボロウ監督が降板したのち、『スター・ウォーズ』への興味を尋ねられたワイティティ監督はTwitterでこう答えている。

「(笑)自分の映画は完成させたいですよ。僕なら1週間以内にクビでしょうね。

この発言の真意とはなんだったのか……。『マイティ・ソー バトルロイヤル』製作中のワイティティ監督に密着した米ニューヨーク・タイムズ誌は、彼の口からこんな言葉を引き出している。

「あのシリーズ(『スター・ウォーズ』)はとても大変だと思います。僕みたいな者には触れる余地があまりないですね。厳格な基準によって、『スター・ウォーズ』はいつも、確実にシリアスなトーンでありつづけてきました。一方でマーベル映画は、数十年にわたってコミックでやられてきたように、重厚なドラマからバカバカしいコメディまで思い切って舵を切れる。それに即興演技は、アイアンマン役でロバート・ダウニー・Jr.がやって以来、あらゆるマーベル映画に使われてきたものですしね。」

つまりワイティティ監督の分析では、『スター・ウォーズ』が築き上げたブランドに求められるのは『スター・ウォーズ』という作品のトーンであり、マーベル・シネマティック・ユニバースにはそうした制限が少ないというわけだろう。それにしても、ジョークとともに自身の本音を正面から語る監督の姿勢には、これが初めての大作映画とは思えないほどの度胸が感じられる……。

ちなみにワイティティ監督は現在、大友克洋の漫画作品『AKIRA』の映画化について交渉にあたっているようだ。そちらでは「自分がやるなら原作に忠実に」という意向を述べていたが、やはり就任への鍵となるのは、そこに自身の作家性が入り込む余地なのだろうか?

映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』は2017年11月3日より全国ロードショー

Sources: https://www.nytimes.com/2017/10/19/magazine/the-superweirdo-behind-thor-ragnarok.html
http://screenrant.com/thor-ragnarok-taika-waititi-not-direct-star-wars/
http://screenrant.com/thor-3-director-star-wars-9/
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore ( https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36201776766/ )

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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