2024年、ハリウッド映画はこうなる?大予想 ─ 「続編マーチ」「マーベル/DCの小休止」「日本ロケ増加」「Appleの台頭」

あけましておめでとうございます。新年もよろしくお願いいたします。
新しい年を迎えるにあたって、THE RIVERでは今年のトレンドを大予想。4つの重要なポイント別を紹介する。今年はどんな一年に?一つずつ見ていこう。
続編映画の大行進が見られる?
2023年は『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』など、いわゆるフランチャイズの続編モノが次々と期待外れな結果に終わった。それでもハリウッドは、2024年も続編映画の手を緩めない。
主要どころを挙げるだけでも、今年は『SMILE 2』『インサイド・アウト2』『ヴェノム3』『グラディエーター2』『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』『ジョーカー2』『ソニック・ザ・ムービー3』『デッドプール3』『デューン 砂の惑星PART2』『バッドボーイズ4』『パディントン3』『ビートルジュース2』『怪盗グルー4』と数多くの続編映画が登場する。人気のシリーズから、昔の作品からの復刻的な続編まで様々。幅広い世代にとって、見逃せないニュースが続々と飛び出しそうだ。
マーベル/DCは小休止、SSUは猛ダッシュ?
“スーパーヒーロー疲れ”が厳しい興収成績となって現れた2023年。ストライキによる製作遅れも大きいが、2024年はアメコミ映画が急ブレーキをかける年となる。マーベル・シネマティック・ユニバースの劇場公開作は7月US予定の『デッドプール3』のみ、DCは10月US予定の『ジョーカー』続編『Joker: Folie à Deux』のみだ。
マーベル・スタジオは、実写ドラマも「エコー」(1月)「アガサ:ダークホールド・ダイアリーズ」(9月)があるのみで、「エコー」は他の作品との関連を重要視しない「スポットライト」作品。実質、「マルチバース・サーガ」を前進させられるのは『デッドプール3』と「アガサ」のみだ。カーン役ジョナサン・メジャースの逮捕もあって、2024年は戦略を練り直すような一年となりそう。一方のDCも、2025年より本格始動する新ユニバースに向けての準備に集中する年となるだろう。
注目は『スパイダーマン』ソニー・ピクチャーズが仕掛けるSSU。MCUとDCがおとなしくしている間に、ソニー・ピクチャーズは『マダム・ウェブ』『クレイヴン・ザ・ハンター』『ヴェノム3』の3作を一気に送り込む。今のところこれまでシリーズ間の繋がりがあまり見えてこなかったSSUだが、2024年に急展開を迎えるかもしれない。また状況次第では、2024年予定が取り下げられていた『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』がギリギリねじ込まれる可能性もある。
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日本ロケ関連の話題が増加する?
かつて日本はロケ撮影ができないと言われていたが、2024年はその状況が大きく変わる。すでに「TOKYO VICE」『ジョン・ウィック:コンセクエンス』『ザ・クリエイター/創造者』「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」など日本で撮影を行ったメジャースタジオ作品が登場したところだが、今年も「TOKYO VICE」シーズン2が配信されたり、ブレンダン・フレイザーが日本で映画を撮ったりと話題が続く。中でも注目は、チャド・スタルスキ監督が全編日本ロケを希望している映画企画『Ghost of Tsushima』がどう動くかである。
かねてより経済産業省が進めてきた国内ロケ撮影支援も結実し始めた。補助対象作品第1弾として、アーミル・カーン・プロダクション製作、インド人俳優サイ・パラヴィとジュネイド・カーン主演のインド映画『Ek Din (One Day)』が1月より札幌市、小樽市でロケ撮影を開始。今後も海外作品の国内ロケは増加する見込みで、2024年は実証を伴った重要な年となる。
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Apple作品が勢いをつける?
配信サービスは飽和状態で、2023年はNetflixもディズニープラスも頭打ち。Netflixは新たな広告付きプランを実装して収益源を模索。ディズニのボブ・アイガーCEOも課題感を隠していない。
そんな中で虎視眈々と実力をつけているのがAppleだ。Apple TV+を運営するテック界の巨人は大手競合のようにいくつもの作品を仕掛けることはしないが、その代わり賞レースにも加われるような質の高い作品で勝負している。2021年の『Coda コーダ あいのうた』は、配信サービスの作品として初めてアカデミー賞作品賞を獲っている。
2023年の『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』『ナポレオン』に続き、2024年は『キングスマン』マシュー・ヴォーン監督の『ARGYLLE/アーガイル』や、ジョージ・クルーニー&ブラッド・ピット共演スリラー『Wolfs』、スカーレット・ヨハンソン&チャニング・テイタム共演『Project Artemis』を劇場に送り込み、Apple TV+で独占配信する。いずれもマス市場で話題をさらう可能性を十分に秘めた作品だ。
Apple TV+は加入者数を公表していないが、推定では全世界2,500万人と言われる。それぞれ1億人以上の加入者数を持つNetflixやディズニー、Amazonにとって直ちに脅威となる数値ではないが、すでにマーティン・スコセッシやリドリー・スコットといった巨匠をも掴み、良作の権利をコツコツと獲得しているAppleの次なる動きに要注目だ。
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新年もより良い記事を発信してまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。