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名作モンスター映画の怪物が共演する『ダーク・アーミー』、「ホラーではなく真のモンスター映画を作りたい」

A screenshot of Christopher Lee as the monster from the Hammer Film The Curse of Frankenstein (1957)

名作モンスター映画の怪物たちが共演する新作映画『ダーク・アーミー(原題:Dark Army)』の企画が進行しているようだ。脚本・監督を務めるポール・フェイグは、すでに本作の脚本の草稿を書き終えており、これまでの伝統的なモンスター映画に忠実になることを米Colliderにて明かしている。

2017年春、ユニバーサルは、自社の保有するモンスター映画をリメイクする企画「ダーク・ユニバース」を発表したが、第1弾『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017)の予想を下回る結果を受け、ユニバース構想そのものが凍結されていた。その後、同社は、「古典的モンスターと明確なビジョンを持つクリエイターを出会わせる」新戦略に舵を切り、リメイク版『透明人間』(2020)の製作を発表。同作は、700万ドルという比較的小規模な製作費ながら、全世界興行収入1億ドルを突破し大成功を収めたのだ。

『ダーク・アーミー』も『透明人間』の成功を受けてユニバーサルより発表された新戦略企画の1つ。本企画は2019年9月に報じられているが、ポール監督はすでに草稿を2本書き終えているという。監督本人も「とても気に入っています。いままで自分が書いた中で、お気に入りの1つです」と草稿を絶賛の様子だ。一方、スタジオ内の動きについては、「ユニバーサルは現時点で何をしているか把握していない状況です。というのも『透明人間』はかなり小さな予算で成功しましたけど、この企画はそれよりも少し費用がかかるんです」とポール監督。「圧倒的に気に入っているので、作れるように神様に祈っています。ワクワクしていますよ」と述べている。

オリジナルの物語の構想を練るポール監督は、ユニバーサルが保有する名作モンスターに加えて、自ら考案したモンスターも本作に加えることを検討しているという。そうした本作はホラー映画ではなく、「伝統的なモンスター映画ジャンルにかなり忠実な色調になる」と監督は明かしている。

「私は、30年代の(モンスター)映画が大好きで、ジェイムズ・ホエールの映画だったり、『フランケンシュタインの花嫁』がお気に入りなんです。これは最高な映画の1つだと今でも思います。こういう映画はとても面白かったので、そういうトーンが欲しいんです。彼ら(監督たち)は、(モンスターたちを)真剣に描きましたし、同時にとても楽しめるようなものだったじゃないですか。なので多くのエクストリームなキャラクターがいたり、面白いキャラクターもいたりました。そういうのを求めているんです。ホラー映画を作りたいとは思いません。真のモンスター映画を作りたいんです。

また、ポール監督は本作について、悲劇の怪物フランケンシュタインの名を挙げながら「これはよそ者(アウトサイダー)についての話」だとも語っている。「多くのモンスター映画が、ゲイの映画監督たちに作られています。私自身もこういうモンスターたちが、社会の中のよそ者をどのように象徴しているのかとかに関する話も読みました」。これを踏まえた上でポール監督が「人を怖がらせるだけじゃない」と語るのも納得だろう。監督のモンスター映画愛や、モンスター自体の抱える内面が反映された作品になることが期待できそうだ。

Source: Collider Cinema Blend

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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