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ダーク・ユニバースは「失敗だった」 ─ ユニバーサル・ピクチャーズ会長が振り返る

米ユニバーサル・ピクチャーズが自社のモンスター映画を連続でリメイクする企画「ダーク・ユニバース」について、同社のドナ・ラングリー会長が「失敗だった」と認めている。米The Hollywood Reporterによる座談会で語った。

ダーク・ユニバースは、各作品にスター俳優を起用し、それぞれが世界観を共有するという“ユニバース構想”をそのまま採用するものとしてスタートした。ところが、ホラー映画『ミイラ再生』(1932)をトム・クルーズ主演でリメイクした第1弾『ザ・マミー 呪われた砂漠の王』(2017)が興行的・批評的不振に終わったことで、構想そのものが一時凍結されてしまう。当初、同作のほかには『透明人間』(1933)『フランケンシュタインの花嫁』(1935)のリメイク版などが計画されていた。

ダーク・ユニバース
(C)Universal Pictures

このたびドナ・ラングリー氏は、本企画を振り返って、以下のようにコメントしている。

「ユニバーサル・ピクチャーズが誇るモンスターたちをクロスオーバーさせる試みがありましたが、失敗に終わりました。我々が気づいたのは、キャラクターたちは大変魅力的ですが、決して(映画化を)急ぐものではなかったということ。また、古典的なモンスター映画が世界観を共有することはまったく求められていなかったということです。そこで私たちは原点に戻って、フィルムメーカーを第一に考え、予算規模を自由にする方針に切り替えました。」

現在ユニバーサルは、クラシックなモンスターと気鋭のクリエイターを融合させる新戦略に舵を切っている。『透明人間』のリメイク企画は2019年1月に再始動したが、ジョニー・デップ主演の予定を『アス』(2019)の女優エリザベス・モスに変更するなど、方針を大幅に転換してのリメイクとなったのだ。新たに監督を務めるリー・ワネルは、米Cinema Blendのインタビューで、リメイク版について「最初から単独作品として取り組んで来ましたよ」と、そもそもダーク・ユニバースの枠組みとして製作していなかったことを明かしている。

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ユニバーサルは『透明人間』のほか、人気の怪物たちが集結する『ダーク・アーミー(原題:Dark Army)』、“女性版透明人間”というべき『インビジブル・ウーマン(原題:The Invisible Woman)』、モンスター・ミュージカル映画『モンスター・マッシュ(原題:Monster Mash)』を企画中。2020年2月中旬には『フランケンシュタインの花嫁』のリメイク企画が再び進行していることも報じられたが、これらの作品が「ダーク・ユニバース」の看板を再び背負うことになるのかは不明だ。

ちなみに2019年9月、『ダーク・アーミー』のポール・フェイグ監督は、作品について「脚本をダーク・ユニバースのメンバーに提出したので、今はユニバーサルの幹部が検討しているところでしょう」と述べていた。もしかするとユニバーサルの社内では、「ダーク・ユニバース」という名称は今も残っているのかもしれない。

Source: The Hollywood Reporter, Comicbook.com, Cinema Blend

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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