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『フランケンシュタインの花嫁』リメイク版、脚本が完成 ─ ダーク・ユニバースからの復活企画が進行中

https://en.wikipedia.org/wiki/File:Brideoffrankenstein.jpg

ユニバーサル・ピクチャーズによる有名モンスター映画のリバイバル企画「ダーク・ユニバース」より、『フランケンシュタインの花嫁』リメイク版の復活が進められている。企画当初から参加していた脚本家のデヴィッド・コープによると、すでに脚本は完成済みで、さらなる作業が進行しているというのだ。

まずは経緯から整理しておこう。もともと『フランケンシュタインの花嫁』(1935)は、古典モンスター映画『フランケンシュタイン』(1931)の続編として製作され、過去に『ブライド』(1984)としてリメイクされている。『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』(2017)に始まった「ダーク・ユニバース」では、アンジェリーナ・ジョリー主演、『美女と野獣』(2017)ビル・コンドン監督で再リメイク予定だったが、『ザ・マミー』の不振を受け企画は凍結された。

ダーク・ユニバース
ダーク・ユニバース (C)Universal Pictures

しかし2020年2月、ユニバーサルが本企画をダーク・ユニバースから独立して再始動させていることが判明した。脚本にはダーク・ユニバース時代に続き、『ジュラシック・パーク』(1993)『スパイダーマン』(2002)などのデヴィッド・コープが参加。米Colliderによると、コロナ禍の自主隔離期間に脚本は完成し、ユニバーサルに提出済みだという。「我々全員が非常に気に入ったものができました。(ユニバーサルは)監督たちと話し合っていると思います」とはコープ自身の談。「非常に良い、すべてが現代的なアイデア」になっているとのことだ。

既報によると、リメイク版『フランケンシュタインの花嫁』には、プロデューサーとして、トム・ホランド主演『スパイダーマン』シリーズや『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のエイミー・パスカルが参加。『クワイエット・プレイス』(2018)脚本・監督のジョン・クラシンスキーも参加したといわれていたが、コープが「監督たち」と複数形で述べているあたり、クラシンスキーが正式に就任したかどうかは不明だ。ダーク・ユニバース当時の主演女優アンジェリーナ・ジョリーは企画を離脱しているとされる。

なおユニバーサルは、コロナ禍に先がけて、ダーク・ユニバース凍結後はじめての“リメイク版モンスター映画”となった『透明人間』を米国にて公開。同作は製作費700万ドルという小規模作品だったが、スタジオの予想を上回る大ヒットを収めた。これを受けてか、本作は『透明人間』ほど小規模ではなく「そこそこの、実現可能な」スケールで進められているという。

ついに本格再始動が近づいている『フランケンシュタインの花嫁』について、コープは「ずっとやりたかったところに(企画を)戻してこられた。再び挑戦させてもらえて、ユニバーサルには感謝しています」と語っている。「ダーク・ユニバースが失敗し、終わったのは有名な話ですから。あれは“失敗”じゃないにしても、“期待はずれ”だった」。もっともコープは、ダーク・ユニバースの“事後処理”についてはスタジオに称賛を送っている。

「すべてのアイデアがうまくいくわけじゃありません。名誉のために言えば、ユニバーサルが潔く降参して、“やめよう、うまくいってない。いったんやめて、1~2年くらい考えるんだ”という判断を下したのは本当に良かったと思います。とてもスマートだった。大企業は、そういう決断をしないこともしばしばありますしね。」

Source: Collider

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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