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【解説】『ドクター・ストレンジ/MoM』米予告編、ついに「イルミナティ」が言及される ─ ヒーロー秘密結社、そのメンバーやいかに

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
(c) Marvel Studios 2022

マーベル・シネマティック・ユニバースの大転換点になるかもしれない。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』最新の米スポット映像に、新たな重大シーンが含まれている。「Time」と題されたこの30秒の映像、後半に「イルミナティ」の名がハッキリ言及されているのだ。

イルミナティとは、原作コミックでヒーローたちが重大な事項を討議するために集まった秘密結社を指す。彼らは、アベンジャーズのように戦闘を共にするヒーローチームではない。いわば、現実世界のG7やG20のような、各界代表者の集い、およびその会合である。

主なメンバーには、それぞれの分野の重要人物が結集。アイアンマン/トニー・スターク(人間、アベンジャーズの代表)、ドクター・ストレンジ(神秘、魔術の代表)、ミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズ(科学の代表)、プロフェッサーX/チャールズ・エグゼビア(ミュータントの代表)、ネイモア(アンチヒーローの代表)などがいる。

コミックでは『ニューアベンジャーズ』シリーズにて登場。クリー・スクラル戦争で地球が被害を受けたことを反省し、各コミュニティが連携を取るべきとのトニー・スタークの提言によって結集した。以降、彼らは人間や魔界、ミュータントといった種族を超越した頭脳として機能。ハルク追放やシークレット・インベージョンなど、マーベル・ユニバースの様々な重要局面に立ち会うこととなった。

『マルチバース・オブ・マッドネス』予告編では、手錠をはめられたストレンジが議会場のような場所に連行される描写があり、そこにプロフェッサーXらしき人物や、数名分の椅子が見られていたため、イルミナティ登場が噂されていた。英映画雑誌Empireの紙上にも、同シーンについて「ストレンジがイルミナティの前に立っている」と記されていたため、確度は高いものと見られていたが、この度の米スポット映像にてほぼ確実なものとなった格好だ。

これによって、どのような推測ができるかを考えてみよう。映像で「スティーブン、ストレンジ 。イルミナティだ」と紹介しているのはモルドである。原作コミックの流れを考えると、イルミナティのメンバーにはストレンジが加わるのが自然。つまり、映画では当初モルドがイルミナティのメンバーだったが、劇中の出来事によってストレンジがメンバーに昇格するという展開が予想できる(映像では壇上を左へと歩むメンバーらしき人物がいる。このシルエットの正体は謎だったが、今回の映像ではモルドが背中に棒状の武器を差している点が一致。おそらくモルドがメンバーとして居座っているのだろう)。

イルミナティ登場ということで、他メンバーのラインナップにも俄然期待がかかる。ミュータント代表のプロフェッサーXは期待値大で、これによって『X-MEN』シリーズが本格合流を果たすこととなる。さらに、今後映画化が予定されている『ファンタスティック・フォー』より、リード・リチャーズ登場の説もにわかに濃厚となった。また、長らく実写登場が噂されており、『エターナルズ』にも密かに伏線があったとも考察されるネイモア・ザ・サブマリナーが加わる可能性も高まった。

原作コミックでのイルミナティの編成を踏襲すれば、そこにはアベンジャーズの代表者も加わるはずである。トニー・スタークはすでに死んでおり、キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャーズも引退済み。この後任であるサム・ウィルソンがイルミナティ格の存在になるとは現時点で考えにくい。ストレンジがアベンジャーズと魔法界の代表を兼任することもありえそうだが、おそらくはマルチバースの設定を活かし、別世界のトニー・スタークが加わるという可能性も、決してゼロではないから恐ろしい。

ちなみにコミックでは、インヒューマンズ代表としてブラックボルトもメンバーに加わっている。「インヒューマンズ」は米ABCとマーベル・テレビジョンで2017年に実写ドラマ化されたこともあったのだが、残念ながら不評で1シーズン限りの打ち切り終了の憂き目にあっている。ドラマではアンソン・マウントがブラックボルトを演じた。同人物が奇跡のカムバックを果たすという可能性は……あまりなさそうだ。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は2022年5月4日公開。

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Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。