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【ネタバレ】『アベンジャーズ/エンドゲーム』カメオ出演者と製作秘話 ─ 発見困難な人物からMCU史上初の設定まで、証言とともに紐解く

アベンジャーズ/エンドゲーム
©Walt Disney Studios / Supplied by LMK 写真:ゼータ イメージ

ジェーン・フォスター

ともすれば最大のサプライズと言えるのが、『マイティ・ソー』(2011)『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)のヒロインだったジェーン・フォスターの再登場だろう。演じるナタリー・ポートマンは『ダーク・ワールド』の製作をめぐってマーベル・スタジオと衝突したとも噂され、再登場は難しいとみられてきたのである。登場シーンやその舞台裏については、こちらの記事に詳しい。

ナタリー・ポートマン、新規撮影は…?

『エンドゲーム』を執筆したマルクス&マクフィーリーは『ダーク・ワールド』の脚本家でもある。それゆえソーと母親フリッガ(レネ・ルッソ)のやり取りなどは、まるで当時描けなかった、きちんと終えられなかった物語をやり直しているようにも思われるだろう。マクフィーリーいわく、ジェーンの登場も『ダーク・ワールド』のアスガルドへ戻るうえでは避けて通れないものだったという。

「リアリティ・ストーンが唯一登場した時、ほとんど(エーテルは)ジェーンの体内にあるわけですから。彼女の腕の中にあるわけで、ナタリー・ポートマンを登場させずに描く方法は少なくなります。」

ちなみに脚本段階では、ソーとジェーンの長いシーンを執筆したこともあったとのこと。しかしソーと母親の物語が重要だったゆえ、また3時間の映画になることが分かっていたために、キャラクターの物語から外れてしまうほど長いシーンを用意することはできなかったという。

Natalie Portman ナタリー・ポートマン
©THE RIVER

アレクサンダー・ピアース

同じく観客を驚かせたのは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014)でヴィランとして登場したS.H.I.E.L.D.高官アレクサンダー・ピアースだ。初登場こそ『ウィンター・ソルジャー』だったが、やはり『アベンジャーズ』の時点で存在し、トニーやソーと顔を合わせていたことがわかる。劇中ではスペース・ストーンを引き渡すよう、強硬な姿勢でトニーに迫っていた。

ピアース役は『ウィンター・ソルジャー』以来5年ぶりの出演となった名優ロバート・レッドフォード。米The New York Timesにて脚本家のマクフィーリーが語ったところによると、もともと本作にピアースを登場させる計画はなかったという。

「(ピアースのポジションは)ニック・フューリーにすべきかな、と思っていたんです。マリア・ヒルが出てくるバージョンも書いたんですよ。だけどそのころ、『さらば愛しきアウトロー』でレッドフォードが引退することが発表されて。ロバート・レッドフォードに出てもらえるのは今回が最後になるな、と。」

ちなみに本作に出演したことで、米国で最後に公開されたレッドフォードの出演作品は『エンドゲーム』となってしまった。とはいえ主演・製作を兼任した『さらば愛しきアウトロー』が正式な引退作となるので、こちらもお見逃しのないように!

ロバート・レッドフォード引退作、MCUファンも必修科目ですよ

2012年のニューヨークには、同じく『ウィンター・ソルジャー』でピアースの手先として暗躍したブロック・ラムロウ(フランク・グリロ)とジャスパー・シットウェル(マキシミリアーノ・ヘルナンデス)、ジャック・ロリンズ(カラン・マルヴェイ)も登場。エレベーターでキャプテン・アメリカが囲まれるシーンは、ルッソ兄弟による『ウィンター・ソルジャー』のセルフパロディとなっている。

ハーレー・キーナー

物語のラスト、トニー・スタークの葬儀に参列している若い青年の正体には、きっと多くの観客が戸惑っただろう。この人物は、なんと『アイアンマン3』(2013)に登場した少年ハーレー・キーナー。演じているのは『ジュラシック・ワールド』(2015)にも出演したタイ・シンプキンスだ。このカメオ出演について、詳細は以下の記事に詳しい。

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IGNにて、タイは6年ぶりのハーレー役について「戻ってこられて最高でした」と語っている。オファーの電話があった時には、思わず車の中で叫んでしまったとか。しかし、それにしてもなぜハーレーはトニーの葬儀に出席していたのだろうか? タイ自身は、『アイアンマン3』後のトニーとの関係をこのように推測している。

「あの後も、トニーはハーレーのことを気にかけてくれていたんだと思います。ハーレイにとって、トニーとの結びつきはとても強いものだったし、唯一の父親代わりだったから。ハーレーは本当に悲しんだだろうな、と思うんですよ。」

なお、この葬儀のシーンにはMCUの豪華キャストが一堂に会したが、これは合成ではなく実際に全員が集まって撮影されたもの。多忙なスター俳優のスケジュールを揃えた労力も想像を絶するが、カメラの動きを決め、代役を立てて撮影をリハーサルするのにも数日間が費やされたという。撮影日に出演者が初めて揃った際、アンソニー監督はハーレー役のタイを見て、誰なのかわからず「パニックになった」とか。ちなみに、このシーンがトニーの葬儀であることは出演者たちにも知らされていなかったということだ。

ハーレーの登場は非常に気づきづらい、説明されなければわからない類のカメオ出演である。ちなみに米Cinema Blendにて、ジョー・ルッソ監督は「みなさんの気づいていないイースターエッグがまだいくつかありますよ」と述べている。どういうことなの…!

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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