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【特集】ブラック・ウィドウの過去と現在 ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』での変化、ヒーローたちとの関係は

「二人のコミュニケーションはスムーズですが、お互いに硬くなっていると思いますね。長い間隠れて仕事をしていると、励ましの言葉や正しい評価が必要じゃなくなっていく。大切なもののために戦っていても、巨大な組織や社会全体から評価や支援を受けることさえないんです。」

クリスとスカーレットは、スティーブとナターシャの間に恋愛感情が生まれたことはないと口を揃えている。しかし一方で、クリスは「二人の間に役割はあったと思います。お互いに埋める隙間があって、お互いに壊れてしまった信念に向き合わなくてはならなくて、いろんな理由でお互いに寄りかかってきたんじゃないかって」とも語っているのだ。二人の関係は、そしてブラック・ウィドウの今後はどうなっていくのか……。

なお『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で、ナターシャは『エイジ・オブ・ウルトロン』で心を通わせたブルース・バナー/ハルクとの再会を果たすことになる。二人の関係性にどこまで踏み込まれるかは定かでないが、もしかすると、そこに明るい兆しは見えないのかもしれない。ハルク役のマーク・ラファロ、そしてスカーレットは、別々の取材でこのようにコメントしているのだ。

マーク: 二人は結ばれない恋人たち(star-crossed lovers)です。報われるにせよ、報われないにせよ、彼らは残りの人生を通して向き合っていくと思いますよ。やり直すのか、そうではないのか、すぐに決まるものではないと思うんです。

スカーレット: ナターシャは特別に感傷的な人間ではないですし、ある時間が過ぎて、二人がいろんなことを経験したことも分かっていると思いますよ。

スカーレット・ヨハンソン

©THE RIVER
1984年生まれのスカーレット・ヨハンソンは、1994年より子役として俳優のキャリアをスタートさせている。主演女優としてのデビューを飾ったのは『のら猫の日記』(1996)で、『ホーム・アローン3』(1997)などを経て『モンタナの風に抱かれて』(1998)で注目を獲得。コーエン兄弟監督作品『バーバー』(2001)や『ゴーストワールド』(2001)など充実のフィルモグラフィは、現在の活躍を予感させるには十分といえるだろう。
その後、スカーレットを女優としてさらに羽ばたかせる転機となったのは『真珠の耳飾りの少女』(2003)、『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)だ。英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞に登場した彼女は、このあとウディ・アレンやブライアン・デ・パルマ、クリストファー・ノーランらの作品に出演。『ザ・スピリット』(2008)ではコミック界の名匠フランク・ミラーとの仕事を経験している。

『アベンジャーズ』以降はアクション女優としての活動もめざましく、リュック・ベッソン監督作品『LUCY/ルーシー』(2014)や『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)に出演。声優としても評価されており、『her/世界でひとつの彼女』(2013)では人工知能サマンサを演じたほか『ジャングル・ブック』(2016)や『SING/シング』(2016)にも登場。ウェス・アンダーソン監督の最新作『犬ヶ島』(5月25日公開)でも声の出演を務めている。

なおスカーレット演じるブラック・ウィドウは、現在単独映画の企画が進行しているとのこと。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』および『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』以降の活躍も今から楽しみだ。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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