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【特集】怒れる巨人ハルク、対サノス戦のキーパーソンに ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』天才科学者の揺れる心境にも注目

マーベル

久々に地球へ戻ってきたハルクは、もはや単なる怒れる巨人ではない――。
映画アベンジャーズ/インフィニティ・ウォーで、科学者ブルース・バナー/ハルクは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)以来となる地球帰還を果たす。自己を制御できず、クインジェットで宇宙へ飛び去っていったハルクの“その後”は『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)で描かれたばかりだ。

多くのヒーローと同様、ブルース/ハルクにどんな物語が用意されているのかは未だ分からないままである。本記事では『マイティ・ソー バトルロイヤル』以降のハルクや、かつて描かれたヒーローたちとの関係性の今後についてご紹介していこう。

注意この記事には、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』のネタバレ、および『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のネタバレと捉えうる内容が含まれています。

アベンジャーズで唯一、サノスを知る男

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の予告編やスポット映像で、ブルースは多くのヒーローたちとともにワカンダを訪れている。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)に不在だったブルースにとって、この国家は未知の存在といっていいだろう。しかし楽しみなのは、ワカンダに同じく天才科学者のシュリがいること。二人の競演が今から楽しみだ。

とはいえブルースは、なぜ宇宙から地球へ戻ってくることになったのだろう? 『マイティ・ソー バトルロイヤル』のラスト、ブルースはハルクの姿のまま、ソーたちと一緒に滅びゆくアスガルドから脱出したはずだ。
しかし同作の脚本によれば、ポストクレジットシーンに登場した巨大な宇宙船はサノスの乗る軍艦「サンクチュアリII」。演じるマーク・ラファロ「戦いのあと、僕たち(ブルース、ソー)はサノスを知るわけです」述べているように、彼は地球のヒーローよりも早く史上最凶のヴィランと対面を果たしているのである。そんな彼が地球に戻っているということは……。

いずれにせよブルースは、数多のヒーローの中でも数少ない、サノスという存在の脅威を知る人物だ。マークはその恐ろしさを伝え、自らの持つ情報を懸命に伝えようとするのだとか。

「ブルースは恐らく、誰よりもサノスについてよく知っています。そこで彼は、どれだけサノスが危険なのかを必死に伝えようとするわけです。[中略]どれほどのダメージを与えられるのか、いかに強いのか。一行が大混乱に陥ったことも。だから、何が起こったのかにこだわるんですよ。彼ら(ヒーローたち)にサノスとの差を超えてもらおうとするし、どんな危機に直面しているのかを理解してもらおうとするわけです。」

ちなみにマークによれば、サノスは「ハルクにすごく感心している」のだとか。ともに巨大なキャラクターだが、本編では対決シーンを観られるのかもしれない……!

人間ブルース・バナーとヒーローたち

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』においてブルース・バナー/ハルクが従来と異なるのは、そもそもヒーローとしての性質に変化が生じたことである。
かつてのブルースは深く思い悩み、ハルクに変身してしまえば自分をコントロールできなかったが、今ではハルクもブルースから独立した人格として言葉を操ることができる。またブルース自身、『マイティ・ソー バトルロイヤル』で人間としての経験を積んでいるのだ。現在の人物像について、マークは「以前よりも自分を表現していて、内にこもってはいないんです」述べている

しかし、そうなると周囲との関係にも変化が生まれることも必然だろう。マークによれば、ブルースは「もう一度アベンジャーズの中に居場所を見つけようとして」いながら、同時に「チームのメンバーと一緒になることに、ある難しさを感じている」というのである。また先述の通り、アベンジャーズに大きな影響を与えた『シビル・ウォー』にブルースは立ち会ってすらいないのだ。

たとえば『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で印象的だったトニー・スターク/アイアンマンとの“科学者コンビ”の場合、マークいわく「良い場面がある」ものの「以前ほど息ぴったりでもない」という
同じく『エイジ・オブ・ウルトロン』で描かれたナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウとの関係については、マークは「結ばれない恋人たち(star-crossed lovers)です。報われるにせよ、報われないにせよ、残りの人生を通して向き合っていくと思います」と語っている。一方、ブラック・ウィドウ役のスカーレット・ヨハンソンは、「ナターシャは特別に感傷的な人間ではない」として、「二人がいろんなことを経験したことは分かっていると思いますよ」とコメントした。

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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