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マーベル、『マイティ・ソー』ロキを優れたヴィランにするよう強く命じていた ─ 幹部「他を失敗してでも、マグニートーと同じくらいに」

マイティ・ソー バトルロイヤル
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

『アイアンマン』(2008)から『アベンジャーズ/エンドゲーム』まで、成功と飛躍を続けてきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)には、“優れたヴィランを生み出す”という課題が常に付きまとってきた。魅力的なヒーローを多数送り出してきたMCU作品だが、しばしばメディアや批評家の間では「ヴィランの造形が弱い」との指摘もなされてきたのである。

MCUを代表する人気ヴィラン、ひいては人気キャラクターの一人となったのが、トム・ヒドルストン演じるロキだ。『アベンジャーズ』(2012)ではアイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーなどそうそうたる顔ぶれを相手にほぼ単独で戦ったわけだが、これを成立させるべく、当時のマーベルは必死だったようである。ロキの初登場作品である『マイティ・ソー』(2011)の共同脚本を担当したザック・ステンツは、スタジオ側から厳しい指令を受けていたことを明かしている。

「マグニートーと同等の優れたヴィランに」

The Fanboy Podcastに登場したザックは、「『マイティ・ソー』の執筆時には、とてもはっきりとした指示がありました」と言っている。

「(マーベルは)『アベンジャーズ』に向けて全体を構築していて、そこでロキがヴィランになることを決めていたんです。また、それ以前のMCU作品に登場したヴィランがやや面白味に欠けていたこともわかっていた。だから実際、幹部の一人に言われたんですよ。“その他のすべてを失敗してでも、ロキをマグニートーと同じくらい優れたヴィランにしてほしい”と。マグニートーと同じレベルのヴィランが必要だったんです。『アベンジャーズ』のヴィランになるんですから。」

マイティ・ソー
『マイティ・ソー』© 2011 MARVEL

『マイティ・ソー』以前に登場したヴィランは、『アイアンマン』のアイアンモンガー(ジェフ・ブリッジス)、『インクレディブル・ハルク』(2008)のアボミネーション(ティム・ロス)、ウィップラッシュ(ミッキー・ローク)。キャスティングは充実しているが、ヴィランとしての魅力が出演者に見合っていたかといわれれば疑問の余地はあるだろう。

一方で、同じくマーベル・コミックを原作に20世紀フォックスが製作していた映画版『X-MEN』シリーズでは、名優イアン・マッケランがマグニートー役を演じて観客に強い印象を与えてきた。MCUも大型クロスオーバー作品『アベンジャーズ』を控えて、ヒーローチームと渡り合える強力なヴィランを生み出さねばならなかったのである。

「いつも悪役を描く時は大変な努力を払うものです。それでもこの作品(『マイティ・ソー』)では、ロキで面白いストーリーを描くよう、恐ろしいことをする彼に共感してもらえるよう、本当に一生懸命努力しました。」

ザックら脚本家チームの努力は報われたといっていいだろう。『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督は、『マイティ・ソー』のロキを下敷きに、よりヴィランとしての性質が強く、しかしコミカルでもあるロキを描きだした。演じるトム・ヒドルストンの深い解釈と演技もあいまって、ロキはMCUを代表するヴィランとして見事に成功を収めていったのである。

一方でヒドルストンは、『マイティ・ソー』よりも、むしろ『アベンジャーズ』の撮影に大きなプレッシャーを感じていたとのこと。以前、当時を振り返って「怖かったのを覚えています。うまくいくという保証はありませんでしたから」と述べていたのだ。「ちゃんと筋が通るのか、作品を成功させるためにいかに一生懸命やったか、ということだけを頼りにしていましたね」。

なお、ディズニーの映像配信サービス「Disney+」では、ヒドルストンが主演する単独ドラマシリーズ「ロキ(邦題未定、原題:Loki)」が製作される。ストーリーの詳細は明かされていないが、ロキの物語はまだまだ続いていくわけだ。これぞ多くのファンから愛されている何よりの証拠…!

『アベンジャーズ』ロキの裏設定はこちら

Sources: The Fanboy Podcast, CB

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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