『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』監督、マーベルとDCに共存を訴える!「すべてが良い映画であってほしい」
映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガン監督が、アメコミ映画の大きな確執となっている「マーベル対DC」の対立についてコメントした。
ガンはひとりの映画監督として、またひとりのアメコミファンとして、マーベルとDCの共存を訴えている。この声明は、もしかすると「ヒーロー映画」というジャンルを守るキーになるかもしれない。

早わかり「マーベル映画 vs DC映画」
マーベル映画とDC映画はいつのまにか対立していた。誰が言い始めたのか、そして誰が楽しんでいるのかはわからない。しかし映画の場合、関係者も観客も多いことが「対決」の構図を強めたのではないだろうか。
たとえば「DCエクステンデッド・ユニバース」の最重要人物であるザック・スナイダーがマーベル映画を批判すれば、『キャプテン・アメリカ』でバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーを演じるセバスチャン・スタンが反論。『スーサイド・スクワッド』のワールド・プレミアでデヴィッド・エアー監督が「ファック・マーベル!」と発言して即謝罪したのも記憶に新しい。
元々DCコミックスは、スーパーマンやバットマンをいち早くスクリーンに登場させて映画界でも大きな存在感を誇っていた。しかし2008年に始まった「マーベル・シネマティック・ユニバース」がアメコミ映画の地図を一変させる。ヒット作品の連発でマーベル・ヒーローはたちまち周知され、2012年には『アベンジャーズ』が全世界でスマッシュヒットを記録。その後の躍進はいうまでもない。
もちろんDCもコミックの映画化を継続しつつ、2013年には『マン・オブ・スティール』で「DCエクステンデッド・ユニバース」を始動させる。しかし第2作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』までに約3年のブランクがあり、マーベルに遅れをとってしまった。またマーベル映画とDC映画で評価に差があることもDCには面白くないはずだ。
マーベルとDCがそれぞれ「映画版ユニバース」を拡大していること、初めは先行していたDCがマーベルに追い抜かれたこと、そして評価のギャップが著しいこと。当事者たちがどう考えていたかはさておき、「確執」と呼ばれるには十分な要素が揃っているのである。

ふたりの映画監督が「共存」を呼びかける
確執が深まる中、ある映画監督がついに口を開いた。マーベル映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンだ。マーベルとDCの関係について尋ねられたガンはこう答えている。
「僕には、自分の映画が誰かの作品よりも優れているとか劣っているとか考える余裕はない。考えるのは『どうやって作るか』だけだよ。現在の話でいえば、どうすれば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.2』を映画史上もっとも壮大な映画にできるか?ってことさ。それがすべてだよ。マーベル対DC、なんてことは一切考えてない。想像よりもひどいマーベル映画やDC映画が作られたらガッカリするけどね。僕はマーベルとDCのコミックを読んで育ったし、キャラクターが大好きなんだ。すべての映画が良くあってほしいよ」
この発言がバラエティ誌に掲載されてすぐ、ガンは自身のTwitterにある画像を投稿した。
Whoever did this, awesome. Haha. #Marvel #DC pic.twitter.com/U0Txl6WVYk
— James Gunn (@JamesGunn) September 18, 2016
マーベル・DC作品のロゴとアイテムで「COEXIST(共存)」という文字が描かれたこのツイートに反応したのは、DC映画『ワンダーウーマン』のパティ・ジェンキンス監督だった。彼女は「すばらしいね。でも『Co-exist』にW(ワンダーウーマンの頭文字)があれば良かったのにな」とコメントしている。
This is great. Wish there was a W in Co-exist though. 😉 https://t.co/gqRd1Sf5e0
— Patty Jenkins (@PattyJenks) September 18, 2016
マーベル・DCの壁を超えていた2人
ガンとジェンキンスのふたりには共通点がある。今でこそガンはマーベルで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』を、ジェンキンスはDCで『ワンダーウーマン』を監督しているものの、実はガンがDCで、ジェンキンスがマーベルで映画を撮る可能性があったのだ。
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