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マーベル・シネマティック・ユニバース、コロナ禍の大きな影響なし

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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の全体構想に、新型コロナウイルスの感染拡大によるスケジュールの遅延は大きな影響をもたらさなかったようだ。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が米The New York Timesにて認めた。

2019年、MCUの物語は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で区切りを迎え、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)が“その後”を描いて、MCUのフェイズ3は幕を閉じた。その後、本来ならば2020年春にフェイズ4の幕開けとして『ブラック・ウィドウ』が登場予定だったが、同作はコロナ禍により約1年の公開延期を余儀なくされている。『エターナルズ(原題)』『シャン・チー・アンド・レジェンド・オブ・テン・リングス(原題)』、ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ロキ」の撮影は軒並み中断され、完成が遅れることとなった。

もっともMCUといえば、作品を超えて物語が緊密にリンクする構造が最大の特徴。コロナ禍の影響を受け、2022年の作品まで公開予定日が変更されたこともあり、ファンの間では「MCUの構想に大きな影響が生じているのではないか」と懸念する声もあがっていた。しかし今回、ファイギ社長はこの仮説を否定している。「もしも2018年から2019年、『アベンジャーズ/エンドゲーム』への積み重ねがこうして中断されていたら、それは大きな悩みだったと思います」

製作・公開の遅延により、スケジュールのシャッフルが行われた結果、フェイズ4の第1作として繰り上げられたのが、ドラマ「ワンダヴィジョン」だ。スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)とヴィジョン(ポール・ベタニー)が主人公の“シットコム”である本作はコロナ禍の影響が最も少なく、2020年12月の配信予定から数週間遅れて、2021年1月15日(金)にDisney+にて日米同時配信となる。

このたび、ファイギ社長は「ワンダヴィジョン」をはじめとするドラマシリーズについて、配信スケジュールへの影響は主に「わずか数週間」であるとも語った。感染拡大のために海外ロケが中断し、大きな打撃を受けた「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は2020年秋から2021年3月への延期となったが、その他の企画は最小限のダメージで済んだということだろう。

2021年1月現在、マーベル・スタジオは『エターナルズ』『シャン・チー』のポストプロダクション(撮影後作業)を進めているほか、『スパイダーマン』『ドクター・ストレンジ』の続編映画やドラマ「ミズ・マーベル」「ホークアイ」の撮影を進行中。さらに『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題)』の撮影開始も間近だ。その後も『ブラックパンサー』『キャプテン・マーベル』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『アントマン』の続編が準備されているほか、「ムーンナイト」「シーハルク」など数々の作品が控える。コロナ禍の収束はまだ見えないが、“新作なし”の2020年を経て、マーベルによる怒涛の再起動はすでに始まっているのだ。

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Source: The New York Times, Marvel

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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