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マーベル社長、2019年以降のマーベル・シネマティック・ユニバースに「大きな変化」と語る。『アベンジャーズ』新作も方針変更、俳優の契約問題が関係か

『アベンジャーズ』シリーズをはじめ、数多くのヒーローをスクリーンに送り出してきたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)に異変が生じている、かもしれない。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の公開を控えた今、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が2019年以降の予定が不明瞭であることを明かしている。また『アベンジャーズ』新作の撮影方針にも変更が生じているというのだ。

MCU“フェイズ4”は社長にも「わからない」

映画情報サイト「シネマブレンド」の取材に応じたファイギ社長は、MCUの今後の予定について、以下のように話している。

「正直に言って、わかっているのはソニーとスパイダーマンの映画をもうひとつ作ることと、ジェームズ(・ガン)が『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の続編に関わってることだけだよ。とにかく“フェイズ3”だ。“フェイズ4”と呼ばれるものについては僕もわからないのさ。2019年以降には大きな変化があるだろうね。2019年の5月以降だよ」

MCUには、いくつかの作品で構成される“フェイズ”という分類が存在する。海外ドラマで、およそ十数話のエピソードがまとまって“シーズン”と呼ばれるのと同じだと考えればいいだろう。現在MCUは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016年)で始まった“フェイズ3”の途中であり、このフェイズは『アベンジャーズ』シリーズの4作目である『アンタイトルド・アベンジャーズ(仮題)』(2019年5月公開)で終了する予定だ。つまり、それ以降の“フェイズ4”で「大きな変化がある」ということになる。

『ドクター・ストレンジ』続編?“フェイズ4”を占うヒント

しかし、ファイギ社長が「僕もわからない」と話した“フェイズ4”にもヒントは存在する。

たとえばファイギ社長も言及した『スパイダーマン:ホームカミング』の続編は2019年7月5日に米国公開予定であり、また『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(仮題)』も、これから製作が始まるため2019年5月以降の公開となる可能性が高い。したがって、少なくともこの2作は“フェイズ4”にカウントされるはずだ。

また先日デッドライン誌が報じたところによると、『ドクター・ストレンジ』のスコット・デリクソン監督が続編で再びメガホンを取るという。1作目の興行収入を鑑みると、続編の製作は既定路線に近いとみられるが、いかんせん『ドクター・ストレンジ』続編については現時点で何も発表されていない。したがって情報の信憑性は疑わしいが、もし『ドクター・ストレンジ』続編があるとすれば、おそらくこの作品も“フェイズ4”の一部になることだろう。

そのほか『アントマン』シリーズの第3作(おそらく完結編)、2018年公開の『ブラックパンサー(原題:Black Panther)』『キャプテン・マーベル(原題:Captain Marvel)』の続編が製作されるとすれば、こうして予想しただけで、すでに“フェイズ4”には6本の作品が含まれうることになる。これのどこが一体「わからない」のか……という気もするが、ここには、ある要素が決定的に不足している。アベンジャーズのメンバーがいないのだ。

俳優の契約問題か?『アベンジャーズ』新作も方針変更

『スパイダーマン:ホームカミング』にトニー・スターク/アイアンマン(ロバート・ダウニー・Jr.)が登場することは広く知られているが、続編にもトニーが登場するとは限らない。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(原題:Avengers: Infinity War』にガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやドクター・ストレンジが参戦することは判明しているが、彼らは(少なくとも現時点では)アベンジャーズのメンバーではない。アントマンやブラックパンサー、キャプテン・マーベルにしても、今の段階で言えることは同じである。

つまり“フェイズ4”には、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーといった、MCUを黎明期から支えてきたヒーローが確実に登場するであろう映画が見当たらないのである。

この問題を考えるうえで有力な情報とみられるのが、先日からキャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンスが示唆してきたヒーローからの卒業だ。エヴァンスが「ロバート・ダウニー・Jr.の卒業も近い」と発言したことで、ファンの間では、アイアンマンとキャップがともにMCUを去るのではないかと大きな話題となっていた。現実問題として、エヴァンスの出演契約はまもなく満了を迎えるという。契約の今後が不透明であることは、ファイギ社長に“フェイズ4”が「わからない」と言わしめる一因となっているのではないだろうか。

またファイギ社長は、現在撮影されている『アベンジャーズ』新作について、撮影の方針が変更になったことを明かしている。当初、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アンタイトルド・アベンジャーズ』は同時に撮影が行われるといわれてきたが、どうやら撮影は別々に行われているようなのだ。

「僕たちは(『アベンジャーズ』2作を)続けて撮るんだよ。切り替えながら撮るには複雑になりすぎたんだ。(そうすることで)自分たちが常に何かを犠牲にすることになると気づいたのさ。一つの作品に集中して撮影を行い、それから別の映画に集中できるようにしたいと思ってね」

この発言を聞くかぎり、撮影方針の変更は、あくまで各作品に集中するためだという。ところがエヴァンスの出演契約は『インフィニティ・ウォー』をもって満了する予定だ。2作品を同時に撮影する以上、エヴァンスはその両方に出演するものとみられていたが、これらを分けて撮影する場合、エヴァンスは『インフィニティ・ウォー』のみの出演となる可能性が高いだろう。もしかすると、『インフィニティ・ウォー』と『アンタイトルド・アベンジャーズ』では登場キャラクターが大きく入れ替わるのかもしれない。

またファイギ社長は、『アンタイトルド・アベンジャーズ』の正式タイトルをできる限り伏せておきたいという意思も表明している。正式タイトルの解禁が『インフィニティ・ウォー』の公開後になることも十分にありうるはずだ。しかし、元々は『インフィニティ・ウォー』のパート1・パート2として構想されていたものを、なぜそこまでタイトルを伏せておく必要があるのだろうか……。

アイアンマンやキャプテン・アメリカにどんな展開が待っているのか、そして今後はどんなヒーローがスクリーンに登場するのか、そしてファイギ社長のいう「2019年以降の大きな変化」とは? 今や、マーベル・シネマティック・ユニバースの未来を左右するのは間違いなく『アンタイトルド・アベンジャーズ』だ。なお同作の撮影は、『インフィニティ・ウォー』の撮影終了後、2017年8月から始まるという。

Source: http://www.cinemablend.com/news/1649930/is-scott-derrickson-directing-doctor-strange-2-not-so-fast
http://deadline.com/2017/04/locke-key-pilot-hulu-carlton-cuse-joe-hill-scott-derrickson-idw-1202073121/
http://collider.com/avengers-infinity-war-avengers-4-filming-separately/
http://comicbook.com/2017/04/21/marvel-studios-phase-4-infinity-war-titles-/
Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=HSzx-zryEgM
©MARVEL

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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