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THE RIVERニュースレター 5月19日号 ─ 注目トピックをまとめてご紹介

THE RIVERのニュースレターです。日々のニュースや話題から注目のトピックを厳選して紹介・解説します。面白い最新情報や、タメになる話まで。THE RIVER運営代表の中谷が担当。毎1〜2回のお届けを予定しています。

『クリード 過去の逆襲』のマイケル・B・ジョーダンが来日中です。僕もご本人にインタビュー取材をしてきました。アニメ大好きMBJ、『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』が楽しみだと言っていました。取材の様子は後日記事にてお届けします。

きょうの話題

  • 『フォレスト・ガンプ』は全然信用されていなかった
  • ロン・ハワードの新作に超豪華キャスト集結
  • 『ヘルボーイ』再リブート映画、すでに撮影終了
  • 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』アレはCGだった
  • 「ロキ」シーズン2はしれっと後ろ倒しになっている

『フォレスト・ガンプ』は全然信用されていなかった

「こんな映画を観に行く人がいるだろうか?ダサい靴を履いて、ヘンテコなスーツを着ていて、スーツケースに『おさるのジョージ』の本を詰め込んで座っている……。こんなことをやって意味があるのだろうか?」

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

『フォレスト・ガンプ/一期一会』(1994)に取り掛かる前、主演のトム・ハンクスはロバート・ゼメキス監督にこう心配したそうだ。変わり者だが純粋な主人公が、いくつもの奇跡を起こしていく半生を描いた感動のドラマ。今では名作映画のひとつに数えられるが、当時の彼らは本当にうまくいくのかどうか、心配でならなかったらしい。ゼメキス監督も「こりゃ地雷原だよ、トム。僕たちはこいつで破滅するかもしれない。一歩間違えればタマが吹っ飛ぶ」と答えたという。

彼らの不安をよそに、映画は大評判になった。その年のアカデミー賞では作品賞をはじめ6部門を総なめ。劇中に登場するシーフードレストランをモチーフにして誕生した「ババ・ガンプ・シュリンプ」も人気で、日本にも3店舗ある。「人生はチョコレートの箱、開けてみるまでわからない」。

ロン・ハワードの新作に超豪華キャスト集結

ロン・ハワードの新作映画『Origin of Species(原題)』に豪華キャストが集まった。アナ・デ・アルマスとジュード・ロウ、アリシア・ヴィキャンデルにダニエル・ブリュール、デイジー・エドガー=ジョーンズだ。

アルマスは『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)の後、『グレイマン』(2022)『ゴーステッド Ghosted』(2023)や『ジョン・ウィック』関連作『バレリーナ』などアクション作品でも活躍。ヴィキャンデルは『ブルー・バイユー』(2021)『グリーン・ナイト』(2021)と作家性の豊かな作品に出演を続け、ブリュールはマーベルドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)の後は『西部戦線異状なし』(2022)で注目された。ロウもスター・ウォーズ新作ドラマ「スケルトン・クルー」が期待ととも控えている。エドガー=ジョーンズは『ザリガニの鳴くところ』(2022)主演で注目された1998年生まれの新鋭だ。

文明を捨てて“ガラパゴス”に向かう様々なキャラクターたちの、ダークでコミカルな殺人サバイバルが描かれるといい、一つの実話を二つの視点から描くそうだ。企画はカンヌ国際映画祭でバイヤーに向けて持ち込まれる。ちなみに業界では、全米脚本家組合のストライキの影響であらゆる遅延の可能性があるため、企画の発表には及び腰になっているところという。

『ヘルボーイ』再リブート映画、すでに撮影終了

えっ、もう?というのが率直な感想だが、再リブート版『ヘルボーイ』が撮影を終えたらしい。企画が封じられたのは今年の2月で、3月にも撮影を開始するとのことだった。

『ヘルボーイ』の映画といえばギレルモ・デル・トロ版がよく知られているが、デヴィッド・ハーバー主演の2019年のリブート版は苦戦。製作費5,000万ドルに対し、全世界累計興収は5,500万ほど。宣伝費も入れれば、それこそ真っ赤な赤字となってしまった。

今回の再リブートの勝算は、原作者のマイク・ミニョーラのコミックを忠実に映像化すること。題材となるのは「ヘルボーイ:捻じくれた男(原題:Hellboy: The Crooked Man)」で、ミニョーラは「私の作品の忠実な実写化を待つファンにはたまらない作品となる」とコメント。ダーク・ファンタジーの趣が強い独特の画風で知られるミニョーラの作品をいかに映像化するのか。個人的には、フランク・ミラーのハイコントラストなアートを完璧に映像化した『シン・シティ』のような刺激的な翻案を見てみたい。

ちなみに今回ヘルボーイを演じるのはジャック・ケシーという俳優。過去にロン・パールマンやハーバーが演じたこの無骨なダークヒーローをどう演じるかも楽しみだ。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』アレはCGだった

最近のマーベル・スタジオ作品ではVFX部門の激務ぶりが話題になっていたが、最新作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』ではまだそういった話は伝えられていない。2月公開の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では、週80時間労働でデスク仮眠しているという実態も告発されていた。その後、VFXを率いていたヴィクトリア・アロンソの退社もあったが、彼らの労働環境がどう変化したかはまだ触れられていない。

それとは無関係に米Varietyに掲載されたのは、『VOLUME 3』のVFXスタッフによる制作のこだわりを紹介する記事だ。感情豊かな犬のコスモの表現や、ロケットが小さなアライグマから次第に今の姿になっていく過程、クライマックスで描かれた狭い廊下での乱闘シーンの意匠が語られているが、中でも興味深いのは終盤でガーディアンズたちが動物を抱いて走るシーン。撮影では俳優たちが灰色の豆袋を抱いていたが、CG編集の時点でうまくいかなかったため、最終的に動物を抱く腕も全てCGで描き直したそうだ。

「ロキ」シーズン2はしれっと後ろ倒しになっている

マーベル・シネマティック・ユニバース「ロキ」シーズン2のディズニープラス配信が10月6日と発表されたが、実はこれはしれっと延期されている。元々は夏の配信予定と伝えられていたからだ。出演のオーウェン・ウィルソンも、以前は「夏の終わりか、9月の配信」と話していたものだが、結局は秋にずれ込むこととなった。

考えられる理由は二つあって、まずはマーベル・スタジオが作品の発表ペースを落とすとしていたこと。これは、親会社ディズニーに前CEOのボブ・アイガーが復帰したことによる新方針が影響している。アイガーは製作費の高騰を懸念しており、製作やリリースに慎重な構えを示している。

もう一つは邪推となるが、ジョナサン・メジャースの裁判の行方を見守っているという説だ。メジャースは3月に暴行容疑で起訴され、現在6月の法廷審問を控えているところ。最悪の場合は最長1年の禁固刑もあり得る。

看板俳優が暴行沙汰で禁錮となれば作品のイメージダウンは必至。裁判がどう動くかはわからないが、万が一の場合は出演場面のカットや再撮影が起こり得ることに備えているのかもしれない。そもそも、メジャースの関連企業が相次いで契約打ち切りや起用見送りしている中、天下のディズニーが静観を貫いているというのも、不気味と言えば不気味である。過去の不祥事にまつわる首切りのスピード感と比べればなおのこと。

ちなみに「ホークアイ」のスピンオフとなる「エコー」は11月29日の配信予定が発表されたが、これはギリギリ年内配信に踏みとどまったという形。本作ももともとは夏の配信予定だったところ、一時は2024年に繰り下げられるとの可能性も浮上していた。注目はマーベル・ドラマとしては初めて一挙配信になるという点。このシリーズにはデアデビルやキングピンが登場するというから、Netflix時代の展開手法を意識した……というのは考えすぎか。

情報参考:Variety,Deadline,@artofmm,Variety

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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