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『007』プロデューサー、女性版ジェームズ・ボンドの可能性を否定 ― 「今後も男性のままで」

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Themeplus ( https://www.flickr.com/photos/85217387@N04/8446295874 ) / remixed by ORIVERcinema

映画『007』シリーズのプロデューサーを務めるバーバラ・ブロッコリ氏が、将来的にジェームズ・ボンドを女優が演じる可能性を否定した。英The Guardianが伝えている。

『007』の主人公ジェームズ・ボンドは、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)以来、“6代目”であるダニエル・クレイグが演じてきた。しかしクレイグは『007 スペクター』(2015)をもってボンド役を卒業すると噂され、“7代目”をめぐっては多くの俳優が候補者としてささやかれたのである。結果としてクレイグは、キャリー・フクナガ監督による『007』第25作(タイトル未定)にも出演することになったが、同作が最後のボンド役ともいわれている。

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Photo by www.GlynLowe.com https://www.flickr.com/photos/glynlowe/22549225906

“女性版ジェームズ・ボンド登場説”は、次期ボンド俳優をめぐる一連の話題のなかで生じてきたものだ。プロデューサーのバーバラ氏が「(『007』は)時代を象徴するシリーズ。[中略]どんな事だって起こり得ます」述べたことが、もしや黒人ボンド、女性ボンドの誕生もありうるのではないかという予想につながったのである。しかしこのたび、バーバラ氏自らがこの説を否定したわけだ。

「ボンドは男性です。男性のキャラクターですよ。男性として(原作小説に)書かれていますし、きっと今後も男性としてありつづけると思います。それで良いんですよ。男性のキャラクターを女性に変更する必要はありません。(必要ならば)女性のキャラクターを生み出して、女性のキャラクターに合った物語を作りましょうよ。」

このコメントは、ダニエル・クレイグの妻である女優レイチェル・ワイズの発言とも響きあっている。かつてワイズは「(ボンドというキャラクターの)責任を借りたり、歴代の男性たちと比較するくらいでしたら、新しいストーリーを自分で創るべき」「独自のストーリーがあるべきでしょう」と語っていたのだ。また“5代目”ボンド俳優のピアース・ブロスナンも、「女性が演じることもできるとは思いますが、それはジェームズ・ボンドではないでしょうね」と述べていた

しかしながら、すでに『007』シリーズに近い位置にある人物が“ボンド=男性”というイメージにこだわる一方で、これまでシリーズに携わっていない人々は、女性版ジェームズ・ボンドの誕生にもオープンな姿勢を示してきた。次期ボンド俳優の有力者と目された『パシフィック・リム』(2013)や『ダークタワー』(2017)のイドリス・エルバは「女性であっていいし、黒人女性でも、白人女性でもいい」との持論を明かしたほか、『デッドプール』シリーズのモリーナ・バッカリンは“ボンド女優”への就任に意欲をみせてきたのである。

こうして次期ボンド俳優の候補はふたたび男性に絞られたわけだが、ともあれ次期ボンド俳優について再び熱心に語るべきはクレイグの勇退を見届けてからだろう。
キャリー・フクナガ監督による『007』第25作(タイトル未定)は2019年2月14日に世界公開予定(日本公開日は不明)だ。

Source: The Guardian
Eyecatch Image: Image by Themeplus Remixed by THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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