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『ドクター・ストレンジ』主演辞退したホアキン・フェニックス、マーベル長期契約見直しの流れを作っていた? ─ スタジオの元弁護士が証言

ホアキン・フェニックス
Photo by Harald Krichel https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Joaquin_Phoenix-2184.jpg

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を展開する米マーベル・スタジオといえば、俳優たちと長期の出演契約を結んできたことがたびたび話題となってきたが、近年ではその方針を変えつつある。その背景についてはこれまでスタジオ側からの正式な回答は得られていないが、このたびマーベル・スタジオの弁護士を務めていたポール・サーカー氏の証言により、方針転換のきっかけを作り出した人物が浮かび上がってきた。

MCUでは、ロバート・ダウニー・Jr.やクリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソンといった黎明期を支えた俳優たちが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)をもって出演契約を揃って満了した。長期契約の在り方を巡っては賛否両論あり、例えば直近ではワンダ・マキシモフ役のエリザベス・オルセンが「マーベルとの契約で、特定の仕事をする機会が失われてしまった」と過去に抱いた不満を明かしたことが話題に。このほか、マーベル側と計6本の出演契約を結んだクリス・エヴァンスが、満了作として予定されていた『アベンジャーズ』映画が2部作(『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』)に変更されたことから契約を延長せざるをえない状況になっていたことも判明している

一方マーベル・スタジオは、俳優たちにとってデメリットもある長期契約から進路を変え、短期契約を導入し始めている模様。事実、「ムーンナイト」(2022)で主演・製作を務めたオスカー・アイザックは、長期出演契約を避けるため1作分のみの契約で合意したことを明かしていた。これには、ケヴィン・ファイギをはじめとするスタジオ側も理解を示しているようだが、同スタジオで弁護士を務めていたポール・サーカー氏が米The Directで証言したところによると、この流れを作り出したのは、長期契約を理由に『ドクター・ストレンジ』の主演を辞退していたホアキン・フェニックスだったという。

「正直に申し上げると、ホアキン・フェニックスの例は個人的に印象的でした。彼の場合、とてつもなく長い契約だったからです。私たちとしても、無事締結されることを祈っていましたが、そうはならなかった。その後です。ケヴィン・ファイギが、“我々は超長期の契約をやりません。もしも上手くいって、俳優側にも意欲があれば迎え入れるつもりです”というようなことを言ったのは。あれ(ホアキンの辞退)が一周して影響したのではないかと思うんです。誰にも、強制しているようには感じてもらいたくないですからね。」

2021年7月にファイギは「企画やキャストによって異なりますが……」と前置きを入れながらも、「我々が望むのは、皆がワクワクしてユニバースに参加してくれること。契約上の義務に縛られてしまうことではありません」と語り、従来の契約形態が見直されていることを示唆していた。実際のところ、ホアキンの辞退が方針に大きな影響を与えたとは断言できないものの、交渉の前線にいたサーカー氏の意見には説得力もある。

ホアキンは2014年に『ドクター・ストレンジ』を辞退した後、『ビューティフル・デイ』(2017)や『ドント・ウォーリー』(2018)『ゴールデン・リバー』(2018)など幅広い作品に出演し、2019年には『ジョーカー』を大ヒットさせた。当時ホアキンが『ジョーカー』を手掛けた米ワーナー・ブラザース/DCコミックスとの間で結んだのは同作の出演契約のみ。本人の一貫した意思がうかがえる。ちなみに2022年6月上旬には、『ジョーカー』の続編が発表され、ホアキンの続投も決定した。

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Source: The Direct,THR

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。