THE RIVER編集部『星の旅人たち』エミリオ・エステベス主演・監督作『パブリック 図書館の奇跡』公開決定 ─ 大寒波の夜、図書館を占拠するホームレスたち
『星の旅人たち』（2010）『ボビー』（2006）で知られる、俳優・監督のエミリオ・エステベスによる最新作『The Public（原題）』が、邦題『パブリック 図書館の奇跡』として2020年7月より全国順次公開されることが決定。あわせて場面写真が公開された。
舞台は米オハイオ州シンシナティの公共図書館。実直な図書館員スチュアートは、常連の利用者であるホームレスから思わぬことを告げられる。「今夜は帰らない。ここを占拠する」。大寒波の影響ゆえ、路上で凍死者が続出しているにもかかわらず、市の緊急シェルターは満杯なのだ。行き場を失った約70人のホームレスたちとともに、スチュアートは図書館の出入り口を封鎖して立てこもる。
それは代わりの避難場所を求める平和的なデモだったが、イメージアップをもくろむ検察官の偏った主張や、メディアのセンセーショナルな報道により、スチュアートは心に問題を抱えた危険人物に仕立て上げられてしまう。やがて警察の機動隊が出動し、スチュアートとホームレスたちはいよいよ追い詰められてしまい……。
本作は図書館という、誰もが利用したことのある、身近で物静かな空間を舞台にした“あっと驚く”ヒューマン・ドラマ。記録的な大寒波を受け、行き場のないホームレス集団が図書館を占拠。大騒動に巻き込まれたひとりの図書館員の奮闘を描く、予測不可能かつ笑いと感動が詰まった物語だ。災害や格差に揺れる現代社会への問題提起をはらみながらも、温かな人間味に満ち、巧みなプロットや格別のサプライズも盛り込まれている。2018年のトロント国際映画祭でお披露目されるや、世界から大きな喝采を浴びた。
ある新聞記事に着想を得たエミリオ・エステベスは、本作の完成までに11年の歳月を費やした。『ブレックファスト・クラブ』（1985）などに出演し、ハリウッドの青春スターの一団を総称する「ブラット・パック」の一員として一世を風靡したエミリオは、23歳で監督デビュー。その後も監督としてのキャリアを積み、『ボビー』でゴールデングローブ賞の作品賞などにノミネート、『星の旅人たち』では円熟味すら感じさせる作風を見せた。本作では主人公の図書館員スチュアート役を兼任し、念願のプロジェクトを実現させている。
共演者には、『ミッション：インポッシブル』シリーズをはじめ、多彩なジャンルで圧倒的な存在感を示すアレック・ボールドウィン、エステベスと同じく青春スターとして脚光を浴び、近年は曲者俳優としての異彩を放つクリスチャン・スレイター、ダニエル・クレイグ版『007』シリーズのジェフリー・ライト。さらに『ネオン・デーモン』（2016）のジェナ・マローン、Netflixドラマ「オレンジ・イズ・ニューブラック」（2013-2019）の主演女優テイラー・シリングらが登場する。
映画『パブリック 図書館の奇跡』は2020年7月、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。
