【ネタバレ解説】「シー・ハルク」のデアデビル、ドラマ版から受け継いだ要素とは

この記事には、「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第8話『ケロケロ ジャンプ』のネタバレが含まれています。
「ケチャップとマスタード色」新カラーのスーツ
これまでのデアデビルといえば深紅のスーツがお馴染みだったが、「シー・ハルク」でのカラーリングは原作コミックにも登場するデザインへのオマージュ。コミックでは亡くなった父のボクシングウェアと同じイエロー×レッドの姿でも活躍するのだ。
この意向はマーベル・スタジオ側によるものだったことがわかっている。脚本のジェシカ・ガオは「スーツについては、私がコントロールできないものでした。彼ら(スタジオ)が、どういうスーツにしたいかハッキリしたものがあったようで」と証言。新カラーリングは今後へ繋がる何らかの仕掛けなのだと想像できる。
過去のドラマでは、全身黒づくめのお手製衣装に始まり、深紅のスーツをまとってきたデアデビルとあって、「ケチャップとマスタード色」の新カラーはやや派手な印象で、なかなか見慣れない。とは言っても、デアデビルが活動したのは今回も夜の暗がりの中だ。とりわけ、リープ・フロッグのアジトに侵入する場面では、赤のネオンを浴びていた影響で、ほとんど黄色に見えない。
ちなみにこの場面ではネオンの色合いが効果的に使用されており、シー・ハルクのテーマカラーである緑(リープ・フロッグと同色だったわけであるが)と、デアデビルを象徴する赤が対照的に用いられた。Netflix版ドラマのヒーローたちが集結したクロスオーバー作品「ザ・ディフェンダーズ」でも、ルーク・ケイジやジェシカ・ジョーンズ、アイアン・フィストたちの登場場面でそれぞれを象徴する色味のあるライティングが意識されていたことを思い出させるような演出だ。
廊下での戦い
デアデビルがいざアジトに侵入すると、直前シーンの赤とは対照的な青の明かりで、異所に突入したことを視覚的に示した。デアデビルは狭い廊下で悪党たちを次々退治したが、廊下での戦闘シーンといえば、「デアデビル 」での名物だ。とりわけ、シーズン3第4話での刑務所内の廊下から始まった、およそ11分にも及ぶ驚異のワンカット・アクションは、マーベル作品史上最も凄まじい戦闘シーンのひとつに挙げられる圧巻のシークエンス。あの伝統芸がついにマーベル・スタジオ作品に合流したのだ。
しかしこのアクションは、シー・ハルクが天井を突き破って乱入したことで中断される。「これはジェンのドラマ、シー・ハルクのドラマなんだと観ている人に思い出してもらわないと」と、ガオは米Marvel.comに中断の意図を話している。「このドラマは、いかにしてお約束を覆すか、予想を裏切るか、おかしな現実を突きつけるか、です。それがこのドラマでのモットー。だからもちろん、デアデビルのクラシックな廊下での戦いに触れるメタ的なことは、このドラマでは自然なこと。でも、やっぱりそれを打ち止めるのが、我らがシー・ハルクってことです」。
ガオの言う「これはシー・ハルクのドラマ」とは当然のことだが、しかしそのような意図があったとすると、廊下が青かったことにも何か意味が込められていたのではないかと深読みさせられる。デアデビルの新ヘルメットの黄色は、青と混ぜると緑色になるからだ。つまりあのシーンでは、キャラクター(デアデビルの黄色)と状況(青)を組み合わせた上で、シー・ハルクの世界に内包させるといった意図があったのかもしれない……?
明るいデアデビル
リープ・フロッグが御用となった後、ジェニファーとマットは再び良い仲に。赤いネオンの光を浴びていたことから、マットが主導権を持っているように見られたところ、ジェニファーの方から大胆な誘いがあり、2人は一夜を共にする。ヒーロー同士がスーツ姿のままベッドになだれこむ展開は、MCU作品としては非常に攻め込んだものだ。
マットは翌朝、スーツ姿のまま鼻歌を歌って上機嫌で朝帰り。本作では彼の明るい面を描くと予告されていたものの、「デアデビル」シーズン3でのマットの傷ついた状態やダークな世界観を踏まえると、本当にずいぶん明るくなったものだ。
チャーリー・コックス、再演は「冗談かと」
「彼は、あのキャラクターに対して敬意と愛を抱いています。彼にとって、このキャラクターが非常に意味があることは明らかですが、同時に彼は大いに遊び心を持って演じてくれました」。ガオは、デアデビル役を再演したチャーリー・コックスをこう絶賛している。「面白い冗談を言ったり、(主人公の)ジェニファー/シーハルクと楽しい演技をすることにすっかり乗り気でした」。
コックス自身も、再演オファーが届いた時には「冗談かと思った」そうだ。「ケヴィン・ファイギのアシスタントさんから『連絡もらえますか』ってメッセージが届いたんです。てっきり、コロナ禍にちなんだチャリティー・イベントにみんなで出るってことかと思ってね」。
「シー・ハルク」は次回の第9話でいよいよ最終話。第8話のラストでは、シー・ハルクがとんでもないトラブルに巻き込まれ、ついに黒幕との決戦となりそうだ。
デアデビルも再登場するかは不明だが、続いて新ドラマ「エコー」にも登場した後、単独作「デアデビル:ボーン・アゲイン」では宿敵キングピン/ウィルソン・フィスクと再戦する。こちらは全18話編成という大作になる模様だ。2023年より撮影予定。
「シー・ハルク:ザ・アトーニー」はディズニープラスにて配信中。
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Source:Marvel.com,Comicbook.com