幻のライミ版『スパイダーマン4』ヴァルチャーの翼が写真公開

トビー・マグワイア主演、サム・ライミ監督による『スパイダーマン』映画シリーズより、お蔵入りになった幻の『スパイダーマン4』に登場するはずだったヴィラン、ヴァルチャーの翼の写真が初公開された。
Twitterに掲載したのは、マーベル・コミックを含む様々なコミックのクリエイターやライターとして知られるケン・ペンデルス。「トビーとサムがソニーから別れを告げられる以前から、『スパイダーマン4』の作業は実は始まっていた。僕の友達が、ジョン・マルコヴィッチのためのヴァルチャーのコスチュームの仕事をしていたので、遊びに行ったんだ」と添えている。「製作が中止になったとき、素材は全部回収になった」とペンデルス。写真は「ほぼ15年」ぶりに初めて明らかになった。
Before Tobey & Sam were bid adieu by Sony, work actually had begun on SPIDER-MAN 4, and I visited friends who were working on the Vulture’s costume intended for actor John Malkovich. Once production shut down, all materials were turned in. I’ve sat on this for almost 15 years. pic.twitter.com/iY3VmzUrHI
— Ken Penders (@KenPenders) November 28, 2022
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)でマイケル・キートンが演じたバルチャー(ヴィランのVultureのカナ表記は一般的には“ヴァルチャー”だが、『ホームカミング』での公式表記は“バルチャー”である)のエンジンやファンクラッチが搭載された翼とは大きく異なり、『スパイダーマン4』版はブレードのような鋭い羽根がアコーディオン状に折り重なるようなデザイン。シーンによって翼を展開・収縮することができたと見られる。写真を見る限り、完全展開時にはかなりの全長となって、恐ろしい威圧感を放っていたことだろう。
『スパイダーマン4』は、脚本やストーリーボードなどの製作も進められていたところ、サム・ライミ監督が降板したことで頓挫。ヴィランにはヴァルチャーの他、後に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)でジェイク・ギレンホールも演じることとなったミステリオが登場するはずとなっていた。
ライミ監督は今なお『4』が幻と消えたことを悔やんでおり、「もし実現していたらどうなっていただろうと、嫌でも考えてしまう」との胸中を明らかにしている。
トビー・マグワイアのピーター・パーカーは『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)に再登場して大きな注目を集めたが、ライミ監督はもしも『スパイダーマン』新作をやるのなら「トビーとやりたい」との構え。MCUに登場したマルチバースのおかげで、「何でも可能なのだと気づきました。なので、完全に受け入れますよ」との意欲を語ったこともある。