『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のドクター・ストレンジは偽物なのか?「ホワット・イフ…?」第4話で考察

この記事には、「ホワット・イフ…?」第4話『もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?』のネタバレが含まれています。

“もしも”の世界を描くマーベル・スタジオの外伝的シリーズ「ホワット・イフ…?」第4話『もしも…ドクター・ストレンジが手の代わりに恋人を失ったら?』では、映画『ドクター・ストレンジ』(2016)の物語をベースに、自動車事故を起こしたストレンジが手ではなく恋人クリスティーン・パーマーを失う世界線が描かれた。恋人の死を認めることのできないスティーヴンは、魔術を使って彼女を蘇らせようと奔走する。しかし何度過去に戻っても、クリスティーンが死ぬ運命を変えることができない。
そこにエンシェント・ワンが現れ、「彼女の死は時間の“絶対点”」であり、変えることも動かすこともできないものだと説く。ストレンジがこれを信じなかったため、エンシェント・ワンは暗黒次元の力を借りて、ストレンジの時間軸と身体を分裂させる。細かい理屈は一旦置いておいて、エンシェント・ワンの説明によれば、ここでストレンジの身は「同じ宇宙で2つの時間軸」が進行することになったという。早い話、ストレンジの分身が生じたということだ。

「ホワット・イフ…?」第4話では、分身のストレンジが魔物の力を次々と吸収し、邪悪の化身として君臨した。これが強大化するあまり、現実世界に崩壊の危機が訪れる。かくして、本物のドクター・ストレンジ 対 偽物の邪悪なドクター・ストレンジの決闘が勃発。クリスティーン復活への執念で暴走する邪悪なストレンジは、本物のストレンジすらも吸収してしまい、おぞましい怪物の姿となってクリスティーンを蘇生させる。しかし、邪悪なストレンジが実現させたのは地獄のような結末だった……。最後には自らの誤りに気付き、嘆くままに世界の終焉を迎えるという、衝撃のバッドエンドストーリーだ。
「時間軸と身体を分裂させる」という暗黒次元の力が存在するのならば、マーベル・シネマティック・ユニバースでは、「分身を作る」という禁断の技が可能ということになる。これをヒントに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告編を考えると、たしかに合点がいくところもある。何らかの出来事によりストレンジの分身が生成されていたという可能性だ。パーカーのフードと共にやたら立ち上がっていた襟も、「ホワット・イフ…?」の邪悪なストレンジと似ている。

たとえば、分身ストレンジは、無鉄砲で傲慢な性格が本体よりもわずかに強く、それが服装や言動にも現れていた、と考えることができないだろうか。本来なら試さないはずの魔術を試しては失敗し、サンクトラムの館を雪まみれにして、ウォンにもウンザリされていたのだ。しまいには(ウォンが厳しく注意したにも関わらず)過去を変えるという禁断の魔術を迂闊に試し、世界を危機に陥れてしまう。もしかしたら、ピーター・パーカーの正体がバラされるというのは、エンシェント・ワンの言う「絶対点」だったのでは?
「ホワット・イフ…?」は別世界を描くアニメ作品であるが、MCUの“正史”に加わっているシリーズ。さらに、このシリーズでは「MCUでの様々なことが設定されていく」とトム・ヒドルストンが予告している。つまり「ホワット・イフ…?」で描かれたことが、今後のMCU映画作品にバッチリ関わってくる可能性があるということだ。分身体のような理論をまず「ホワット・イフ…?」でファンに示しておき、後に実写映画で本格的に導入する……といった段取りが踏まれてもおかしくはない。
さて、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のドクター・ストレンジは偽の分身なのだろうか?まだまだ考察の日々は続きそうだ。
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