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『スーサイド・スクワッド』アメコミに詳しくない私の正直な感想

突然だが、私はアメコミに詳しくない。映画ファンのはしくれとして『ダークナイト』などの他、それなりの作品数は観ているし(世界観が好きなので)、敢えて遠ざかっているつもりもないのだが、いかんせんこれといって詳しくない。THE RIVERで執筆している一員としては肩身が狭い思いをしつつも、賛否両論で大盛り上がりの『スーサイド・スクワッド』を、”アメコミ素人代表”として鑑賞してみたので、ここに感想を記そうと思う。

いつもはレビューの体裁を整えて書いているつもりなのだが、今回は素朴な感想を箇条書き形式で列挙していきたい。無知によるおかしな記述があるかもしれないが、ご容赦いただきたい。なお、今回は敢えて観賞前にはいかなる記事も読まずに臨んだ。


【注意】

この記事は、映画『スーサイド・スクワッド』のネタバレ内容を含んでいます。

普通にとても面白かった

前知識があった方が楽しめるのだろうし、知識がないことにより細かい部分で「?」と思う箇所がなかったといえばウソになるが、面白かったかどうかを問われれば、素直に「かなり面白かった」と答えたい。キャラクターの魅力と、ストーリーの分かりやすさ、心の中でツッコまざるを得ないポイントなど、映画体験としてはかなり楽しかった部類に入るし、実際に声を出して笑ったシーンも多かった。個人的にはもっと描写はグロく、心理描写は軽くても良かったのではないかとも思ったものの、いわゆる正義感ではなく、極めて利己的な動機によって結果的に目的を果たす(利用されているだけだと重々承知していながら)という構造が好きだった。押しつけがましい信念よりも、流れに身を任せつつ自分勝手に動いていたら仲間意識がちょっと芽生えた、くらいの方が共感できる。

ハーレイ・クイン可愛い

なんといっても、マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが可愛いかった。予告編から分かっていたことではあったが、問答無用で可愛い。しなやかな肉体、ポップでカラフルな色調、ホットパンツにピタTにガッツリヒールのスニーカー型編み上げブーツ。そしてイカれたキャラにジョーカーへの純愛。どこにいても目がいってしまうくらい魅力的なので、実質的に主役級に目立ってはいる。でも、単独主役ではないよね?彼女を中心にしたキャッチコピーや宣伝ビジュアルのせいで、「あ、これはチームスタイルの映画なのね」と理解するのに少し時間がかかってしまった。

デッドショットはカッコイイが、ちょっと醒める

ウィル・スミス演じるデッドショットは硬派でカッコイイキャラクターだ。まあ、硬派とはいえ凶悪犯罪者の立場ではあるのだが、娘のことだけを想うスナイパーという点で、登場キャラクターの中では最も”普通”の感覚をもっているし、頭もキレる。だが、ウィル・スミスの見せ場シーンのオンパレードで、少し醒めた。元々そういう立ち位置のキャラクターなのかもしれないが、前知識がないので「全力でウィル・スミス様を立てています!」という風に感じてしまって、妙に冷静になる自分がいた。見た目も中身もクレイジーさゼロのデッドショットというキャラ自体に、私があまり惹かれなかったからかもしれない。

もっと出してよエンチャントレス

カーラ・デルヴィーニュ演じるエンチャントレス(ジューン)も魅力的なキャラクターだった。邪悪な古代の魔女ということで、ジューンからエンチャントレスへの変身シーンも、エンチャントレスとしてのビジュアルも素敵。ただ、もう少し詳しく描写してくれないと、どれだけ恐ろしい魔女なのかも、ジューンとフラッグ大佐との絆もいまいち実感できない(あんなに頼りない男のどこがいいんだ←個人の感想です)。弟の像を奪ったり、勝手に逃げたりといったシーンについても、あれがアリならばどうやってそれまでコントロールしていたのか不明だし(それまでだって、ウォーラーが眠っているときに変身すればなんでもできたのでは?)、そもそもどうやって最初に心臓を奪ったのかもよく分からない(そのシーンあったっけ?)。魅力的な対決相手なだけに、きちんと描いてほしかったというのが正直な気持ちだ。

作戦に対して

ハリウッド映画ではお馴染みの、“私がアメリカ政府の人間だったら絶対に立てない作戦”を自信満々に実行する展開に関しては、いつも好き嫌いがハッキリ分かれるのだが、今回は”好き”の方だった。滅茶苦茶すぎるのも、倫理観が崩壊している管理職(ウォーラー)も良かった。やはり、こういう作品は振り切っている方がいい。戦闘力や性格を考えて、なぜメンバーに入っているのか分からないブーメランに引っ掛かりはしたが、「ブーメランみたいなキャラが何かしでかせば、首の爆弾を実証できて支配力が強まる可能性が高い」ということかな(少し違ったが実際そうなった)と勝手に納得した。そういう意味で、ブーメランにはゲスい面をもっと見せてほしかった気はする。最終的に、ちょっと気のいい兄ちゃんみたいな印象になってしまっていたので。
ディアブロとキラー・クロックはメンバーに入っていて当然だったし、キャラクターとしても好印象。キラー・クロックが活躍する終盤シーンの映像が暗くて分かりにくかったのは残念だった。カタナはとても良かったのだが、やけに通る声質で発せられる日本語が、ゲーム戦闘中にちょいちょい入るキャラの声みたいに聞えて(分かりにくいだろうか?)気になった。あと、ハーレイ・クインに携帯もたせているのはどうかしてる。

インパクト抜群のジョーカー

ジャレッド・レト演じるジョーカーは、ビジュアルも存在感もピカイチで、つい「また出てきてくれないかな」と期待してしまうキャラクターだった。ただ、メインのストーリーが比較的オーソドックスな作戦遂行ものになっていたため、浮いてはいた。特に、ウィル・スミス演じるデッド・ショットがいかにも人情味あふれる真面目な印象なので、同じ映画に出てくるキャラクターとして違和感がある。タッチが違うというかなんというか……。デッド・ショットをウィル・スミスではなく、もっと軽快かつ冷たいイメージがある役者にして、作品全体のトーンをジョーカー寄りの雰囲気にシフトしてくれていたら、このような違和感は持たなかったと思うのだが。あと、ジョーカーの狙いがいまひとつよく分からなかった。ハーレイ・クインのことが大好きという設定でいいのか?(ハーレイ・クインがジョーカーに依存しているのはよく分かったんだが)

音楽が楽しい

いきなりアニマルズ・バージョンの“House Of The Rising Sun”(朝日のあたる家)をバックに刑務所が出てくるというベタすぎるスタートに、ハーレイ・クインの登場とともに“You Don’t Own Me”をたたみかけてくるベタ&ベタ(ハーレイ・クインはジョーカーに依存心バリバリなのでこの曲とキャラが合っていない気はするが)。その後もAC/DCだったりK7の“Come Baby Come”が流れたりと、予告で流れていた“Bohemian Rhapsody”だけではない沢山の懐メロが、イマドキの楽曲たちに紛れて突然出てくるので、耳にも楽しい作品だった。バラっバラな感じがむしろ良かった。

色々言いましたが、私はこの作品が好き

さて。ここまで色々書いてきたように、「このキャラはちょっと」とか、「もっとこうだったらいいのに」とか、思うところは沢山あった。しかし、これはどのような娯楽作品であってもある程度は思うことなので、『スーサイド・スクワッド』が特に劣っていたとは感じなかった。原作の世界観や、他作品との一体感など、ファンならではの評価は分からない中で私が本作を一言で表すならば、【家族で観られる悪党映画】といったところであろうか。

これといった残虐描写はなく、それぞれのキャラクターは魅力的で、基本のストーリーは分かりやすい。そして、ウォーラーを除けば基本的に皆”いい人”だ。ジョーカーも、本作で観る限りは恋人のために一生懸命なイカレキャラに見える。この作品の成立の仕方として正しいのかは分からないが、”安心して親子で観られる”映画になっていた。深くはないし、期待したほどバカバカしくもない。しかし、愛おしい。ただ、できることならば本作の流れで、もっとポップかつ”とても子供には見せられない”続編が観てみたい。そんな気持ちが否めないのは確かだ。

Writer

umisodachi
umisodachi

ホラー以外はなんでも観る分析好きです。元イベントプロデューサー(ミュージカル・美術展など)。

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