『ターザン:REBORN』ファンタビ監督が贈るアドベンチャー活劇 ─ 世界観支える実力派キャスト、今後も話題作ぞくぞく

アメリカの作家エドガー・ライス・バローズが生み出した“ジャングルの王”ターザンを、現代的解釈をもって蘇らせたアドベンチャー映画『ターザン:REBORN』(2016)。この映画で監督を務めたのが、『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズを手がけるデヴィッド・イェーツだ。両シリーズと同じく、世界観への飽くなきこだわりや登場人物の温かな描き方は本作にも垣間見ることができる。
この映画で、シンプルかつ力強い物語を支えたのが、主要キャラクターを演じている充実の俳優陣だ。豊富なキャリアをもち、2019年現在もさらなる活躍を見せている顔ぶれと役どころをここでは振り返っていきたい。
『ターザン:REBORN』主要キャスト/キャラクター
ジョン・クレイトン/ターザン(アレクサンダー・スカルスガルド)

『ターザン:REBORN』最大のポイントは、主人公ジョン・クレイトン/ターザンの人物造形にある。本作のターザンは英国貴族で、幼少期に孤児となってジャングルで動物たちに育てられたという設定。これは、エドガー・ライス・バローズによる原作小説の設定をきちんと踏襲したものである。貴族として政府からも高く評価されるクレイトンは、ある日、外交のために故郷であるコンゴに戻る。ところがその仕事こそ、クレイトン=ターザンに仕掛けられた罠だったのだ……。
演じるアレクサンダー・スカルスガルドは、1976年にスウェーデンで生まれた。父は『マイティ・ソー』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのステラン・スカルスガルドで、弟には『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』(2017)でペニーワイズ役を演じたビル・スカルスガルドらがいる。
8歳で映画デビューを果たしたアレクサンダーは、着実にキャリアを重ね、ラース・フォン・トリアー監督作品『メランコリア』(2011)や多くのファンを持つ『バトルシップ』(2012)、Netflix映画『Mute/ミュート』(2017)『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』(2018)などに出演してきた。次回作は、ハリウッド版映画『GODZILLA ゴジラ』と『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)がクロスオーバーする『ゴジラ vs キングコング(邦題未定、原題:Godzilla vs Kong.)』。アレクサンダーはシリーズ初参戦で軍人役を演じるという。
ジェーン・クレイトン(マーゴット・ロビー)

主人公ジョン・クレイトンの妻で、自然を愛するジェーン・クレイトン役。ジェーンは外交のため夫とともにコンゴを訪れるが、そこで陰謀の手にかかって誘拐されてしまう……。
演じるマーゴット・ロビーは、1990年、オーストラリア生まれ。2008年から女優としての活動を始めたマーゴットが最初に大きな注目を浴びたのは、2011~2012年に放送されたドラマ「PAN AM/パンナム」だ。これを経て、レオナルド・ディカプリオ主演『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)でブレイクし、DC映画『スーサイド・スクワッド』(2016)のハーレイ・クインは自身を代表する当たり役となった。近作はアカデミー賞候補となった『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)や、サイモン・ペッグ&マイク・マイヤーズと共演した『アニー・イン・ザ・ターミナル』(2018)。
最新作は、イングランド女王エリザベス1世を演じる歴史劇『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(2019年3月15日公開)。次回作はクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(邦題未定、原題:Once Upon a Time in Hollywood)』で、チャールズ・マンソン率いるカルト集団に殺害された実在の女優シャロン・テートを演じる。そのほか、着せ替え人形「バービー」の実写映画版で主演・製作を務めることが決定済みだ。
ジョージ・ワシントン・ウィリアムズ(サミュエル・L・ジャクソン)

米国公使ジョージ・ワシントン・ウィリアムズ役で、負債を抱えたベルギー国王に疑念を抱き、主人公ジョン・クレイトンにコンゴの視察を打診。襲撃を受けたのち、ジョンとともにジャングルの冒険に挑んでいく役どころだ。
いまやハリウッドを代表する名優のひとりにほかならないサミュエル・L・ジャクソンは、1948年、米ワシントンD.C.生まれ。大学で海洋生物学を学び、一時は建築の世界に携わり、1960年代の公民権運動にも参加するなど、さまざまな経歴を経て1972年より俳優業を開始した。
1990年代から脇役俳優として多数の作品に関わり、『ジュラシック・パーク』(1993)や『パルプ・フィクション』(1994)、『ダイ・ハード3』(1995)、『評決のとき』(1996)、『ジャッキー・ブラウン』(1997)、『交渉人』(1998)などに出演。『スター・ウォーズ』プリクエル3部作のメイス・ウィンドゥ役、『アベンジャーズ』マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品のニック・フューリー役でも知られる。年に数本のペースで映画に出演しており、近作を挙げるのが困難なほど膨大なフィルモグラフィはハリウッド随一といっていい。次回作は最新技術で1990年代の姿に若返る、MCU最新作『キャプテン・マーベル』(2019年3月15日公開)。『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』も控える。
レオン・ロム(クリストフ・ヴァルツ)

負債を抱えたベルギー国王の命を受け、コンゴにてダイヤモンドの採掘にあたる側近の男レオン・ロム。コンゴを訪れたジョン&ジェーンを襲撃し、ジェーンを誘拐した軍隊を率いている。
クリストフ・ヴァルツは1956年、オーストリア生まれ。1977年より俳優として活動を開始し、主に舞台俳優として活躍。1980年代以降、しばしばテレビドラマや映画に出演するも、日本にて公開される作品は数少なかった。
そんなクリストフが世界的スターとなったきっかけは、クエンティン・タランティーノ監督作品『イングロリアス・バスターズ』(2009)。同作でアカデミー賞助演男優賞を受賞したのち、再びタランティーノ監督作品『ジャンゴ 繋がれざる者』(2013)でも同賞に輝いている。そのほか、ロマン・ポランスキー監督が有名戯曲を映画化した『おとなのけんか』(2011)、テリー・ギリアム監督『ゼロの未来』(2013)、ティム・バートン監督『ビッグ・アイズ』(2014)などに出演。『007 スペクター』(2015)では悪役を務めた。最新作は『アリータ:バトル・エンジェル』。
酋長ムボンガ(ジャイモン・フンスー)

コンゴ原住民の酋長で、ジョン・クレイトン/ターザンを連れてくることを条件として、レオン・ロムにダイヤモンドを引き渡すことを約束する。その背景にはジョンに対する深い憎しみがあった。
1964年、西アフリカ・ベナン共和国(旧・ダホメ共和国)出身のジャイモン・フンスーは、13歳でフランスに移住し、ファッションモデルとして活動を開始。1990年に俳優を目指して米国へ渡り、ジャネット・ジャクソンやマドンナのミュージックビデオ、「ビバリーヒルズ青春白書」に出演した。
映画の世界で注目されたのは、ゴールデングローブ賞候補となった『アミスタッド』(1997)や、アカデミー賞候補となった『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』(2002)『ブラッド・ダイヤモンド』(2006)。その後も『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)コラス役や『ワイルド・スピード SKY MISSION』(2015)、『キング・アーサー』(2017)など数々の作品に出演した。DC映画『アクアマン』で声優を務めたほか、最新作は『キャプテン・マーベル』。DC映画『シャザム!』(2019年4月19日公開)にも魔術師役で出演しており、話題のヒーロー映画3本にすべて出演する驚きの仕事ぶりとなった。
映画『ターザン:REBORN』Blu-ray&DVDは発売中。