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『ザ・フラッシュ』サイボーグの登場を見送りへ ─ 俳優レイ・フィッシャーと確執のDC幹部が続投で

ジャスティス・リーグ
JUSTICE LEAGUE and all related pre-existing characters and elements TM and © DC. Justice League and all related new characters and elements TM and © Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

DCコミックス原作、フラッシュ/バリー・アレンの単独映画『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』において、『ジャスティス・リーグ』(2017)からサイボーグ/ビクター・ストーン(レイ・フィッシャー)の登場が見送られるという。米The Wrapなどが報じた。

『ザ・フラッシュ』にはバットマン/ブルース・ウェイン役のベン・アフレックが登場することが判明しているほか、『ジャスティス・リーグ』の主要キャストと出演交渉が行われているとの話題が注目を集めていた。しかしながら今回、「サイボーグの存在は脚本から削除され、キャストを変更することもない」と伝えられている。問題の背景には、『ジャスティス・リーグ』をザック・スナイダー監督に代わって完成させたジョス・ウェドン、そして米ワーナー・ブラザースとフィッシャーの確執があった。

まず押さえておきたいのは、2020年7月、フィッシャーが『ジャスティス・リーグ』の再撮影・再編集を担当したジョス・ウェドン、プロデューサーのジェフ・ジョンズ&ジョン・バーグの振る舞いが不適切だったと告発したことだ。これを受けて、ワーナーは『ジャスティス・リーグ』の再調査に入っており、当時、フィッシャーはDC映画のプロデューサーであるウォルター・ハマダから連絡を受けたとのこと。いわく、ハマダは非難を収めるべく渦中のウェドンらを切り離すと述べたというのだ。ところが、ワーナーはフィッシャーのコメントを真っ向から否定し、2020年12月には調査終了を発表。ワーナーから『ジャスティス・リーグ』再撮影の実情に関する公式発表はなされていない。

経緯を複雑にしたのは、2020年12月末、フィッシャーがハマダをさらに批判したことだ。「ウォルター・ハマダは最も危険な黙認者だ」として、「『ジャスティス・リーグ』の調査に含まれていた真の問題を彼が骨抜きにしようとした。今後、彼の関わる企画には一切参加しない」と記したのである。これはフィッシャーからDC映画に対する事実上の絶縁宣言だともいわれたが、さらに驚くべきは、2020年1月5日、ワーナー・ブラザース/DCコミックスがハマダの契約期間を延長、2023年までDC映画の代表者を務めることを正式に告知したことだった。これにより、サイボーグは再キャスティングされるのではないかと推測する声も聞かれた。

今回の情報は、あらゆる噂や憶測に対するひとつの答えとして機能するものだ。The Wrapだけでなく、脚本家・記者のマーク・ヒューズ氏も本件に関する情報を入手しており、Twitterにて「サイボーグ役の俳優が変更されるとの噂はデタラメです。『ザ・フラッシュ』にサイボーグは登場せず、再キャスティングもなされません。このことはスタジオに確認済みです」と記したのである。

もともとワーナー側は、『ザ・フラッシュ』について「サイボーグ役をフィッシャーに再演してもらいたいと打診した」との声明を発表していた。ただし、フィッシャーはサイボーグの描き方に不満を抱いており、自身の改訂案が受け入れられなかったことにも納得しなかったという。一度は登場が検討されていたが、双方が折り合わず、確執も深まり、結果的に脚本から削除するという対応になったということだろう。

なお、ハマダの契約延長が発表されたのち、フィッシャーは「ワーナー側の発表で、ウォルター・ハマダが『ジャスティス・リーグ』の再撮影中にジェフ・ジョンズやトビー・エメリッヒ(ワーナー・ブラザース会長)と直に関わっていたことにいつも言及されないのは奇妙。続報はもうすぐ」とだけ記している。

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Source: The Wrap

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。