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『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』は「アベンジャーズ5」のような作品に ─ 豪華キャストで「フェイズ5」に繋ぐ

クリス・ヘムズワース「東京コミコン2019」2日目オープニングステージ
©THE RIVER

来年の話は鬼が笑うというけれど、2020年も終盤にさしかかる今、2022年に思いを馳せてみたい。なにしろ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の注目作『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題:Thor: Love and Thunder)』は『アベンジャーズ5』ともいうべき作品になるというのだ。

『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』は、既報の通り『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を経た雷神ソーの物語となり、単独映画シリーズとしてはMCU史上初の4作目。クリス・ヘムズワースが主演を務めるほか、ジェーン・フォスター役のナタリー・ポートマンが『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』(2013)以来の復帰を果たす。しかも本作では、ジェーンがハンマー片手にソーとして活躍することも判明済みだ。

The Hollywood Reporterは、本作に関する取材結果について、「ある関係者は、作品のアンサンブルゆえに“『アベンジャーズ5』のような感じだ”と例えている」と記した。それもそのはず、『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』にはヴァルキリー役のテッサ・トンプソン、コーグ役でタイカ・ワイティティ監督が続投するほか、ヴィラン役で『ダークナイト』3部作や『フォードvsフェラーリ』(2019)のクリスチャン・ベールが新たに参戦。さらに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズから、スター・ロード役のクリス・プラットも出演する。

もっとも『マイティ・ソー』と『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の繋がりだけで、大規模なクロスオーバーを何度も繰り返してきたMCUにおいて「『アベンジャーズ5』のような」存在感を発揮できるのか。こうなるとさらなるクロスオーバーを期待するところだが、そもそも本作は『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題)』と並んでフェイズ4・5の橋渡しを担う位置にある。『マイティ・ソー』の米国公開日は2022年2月11日、『ドクター・ストレンジ』は3月25日と、わずか1か月半の間に2作品が連続公開されるのだ。そして、その前後にはたくさんの映画&ドラマが控えている。

報道によると、現在のマーベル・スタジオは「映画のシステムは確立した」として、Disney+にて展開されるドラマシリーズに注力する姿勢。第1弾「ワンダヴィジョン」は2021年1月15日(金)より日米同時配信が決定し、「ファルコン&ウィンター・ソルジャー(原題)」「ロキ(原題)」は撮影終盤を迎えている。「Ms.マーベル(原題)」の撮影も開始されたほか、「シーハルク(原題)」「ムーンナイト(原題)」も2021年3月に始動予定だ。Ms.マーベル、シーハルク、ムーンナイトは映画への登場も明かされているだけに、それぞれの初登場がどの作品かも注目のポイントだろう。もちろん、ジェレミー・レナー主演「ホークアイ(原題)」も控えている。

一方の映画作品も、『スパイダーマン』第3作(タイトル未定)と『ドクター・ストレンジ』続編の撮影が始まったほか、『ブラックパンサー』(2018)の続編映画(タイトル未定)は2021年7月に、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(原題)』は2021年末に、『アントマン』第3作(タイトル未定)も2021年内に撮影予定となっている。『ブラックパンサー』以降の3作品はフェイズ5に入るとみられるが、スター・ロードの例がある以上、それ以前の作品に顔を見せる可能性も否定できない。さらにマーベル・スタジオは、マハーシャラ・アリ主演『ブレイド(原題)』や、お待ちかね『デッドプール』第3作(タイトル未定)も企画中なのだ……。

コロナ禍の影響を受けた2020年は、なんと2009年以来初めての「MCUの新作が公開されない年」となった。しかし2021年は「ワンダヴィジョン」を皮切りに、『ブラック・ウィドウ』『シャンチー・アンド・レジェンド・オブ・テンリングス(原題)』『エターナルズ(原題)』『スパイダーマン』が控えるほか、ドラマ作品も随時登場する見込み。『アベンジャーズ5』と形容される『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』や『ドクター・ストレンジ』まで約1年しかないという、怒涛の短距離走でMCUは再び幕を開けるのである。情勢は予断を許さないものの、きっと来年からはお楽しみがたくさん待っていることだろう、今はそう祈りたい。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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