2022年(第94回)アカデミー賞の作品賞ノミネート作、日本公開・配信状況まとめ ─ 結果発表までの鑑賞ガイド

主人公のポール・アトレイデスにふんしたのは、『君の名前で僕を呼んで』(2017)をはじめ、『ビューティフル・ボーイ』(2018)『ドント・ルック・アップ』(2021)などで知られる気鋭俳優、ティモシー・シャラメ。そのほかには、『スパイダーマン』シリーズのゼンデイヤ、『スター・ウォーズ』シリーズのオスカー・アイザック、『ミッション:インポッシブル』シリーズのレベッカ・ファーガソン、『ボーダーライン』シリーズのジョシュ・ブローリン、『アクアマン』シリーズのジェイソン・モモアら豪華俳優陣が勢揃いしている。
監督・共同脚本を務めたドゥニ・ヴィルヌーヴは、『プリズナーズ』(2013)をはじめ、『ボーダーライン』(2015)『メッセージ』(2016)『ブレードランナー 2049』(2017)など知られる映画界を代表する監督のひとりだ。そんなヴィルヌーヴはエリック・ロス&ジョン・スペイツとともに脚色賞にも候補入りしており、圧倒的な映像美で描かれる同作は、撮影賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞、作曲賞、編集賞、音響賞、視覚効果賞にもノミネートされている。
なお同作は、続編がすでに決定している。
2021年10月15日に日本公開を迎えた『デューン』は、12月22日よりデジタルダウンロードがリリースされたのち、2022年2月2日よりデジタルレンタルがスタートした。4K ULTRA HDの発売、DVD&ブルーレイのリリース&レンタルは、2022年3月2日より開始される。
『ドリームプラン』
『ドリームプラン』は、テニスプレーヤーのビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を、ゼロからテニスのワールドチャンピオンに育て上げた父親、リチャードの計画書にまつわる驚きの実話映画だ。リチャードは、“世界王者にする計画書”を姉妹が生まれる前に作っていたが、劣悪な環境の中で、コネも資金もない彼らにとっては不可能な挑戦だと思われた。
テニス未経験の父親は、プロのコーチに指導してもらうために姉妹を賢明に売り込むも、あっさりと断られてしまう。それでも、娘たちを信じ続ける父と姉妹は懸命に練習を続けていく。父の指導のもと、ウィリアムズ姉妹がいかにしてその才能を開花させ、世界の頂点へ上りつめたのか。揺るがぬ信念と子供たちの可能性に人生のすべてを捧げ、不可能を可能にする父親の姿に注目だ。
主演男優賞の候補入りも果たしているウィル・スミス。共演者には、『バース・オブ・ネイション』(2016)『ビール・ストリートの恋人たち』(2018)をはじめ、ドラマ「クワンティコ/FBIアカデミーの真実」(2015-2018)などで知られる俳優、アーンジャニュー・エリスが名を連ねている。エリスは助演女優賞に候補入り。姉妹を演じたサナイヤ・シドニー&デミ・シングルトンほか、ジョン・バーンサルも出演。監督を務めたのは、レイナルド・マーカス・グリーンだ。
なお同作は作品賞・主演男優賞・助演女優賞のほか、脚本賞と編集賞にもノミネートされている。
『ドリーム・プラン』は、2022年2月23日より日本全国の劇場にて公開予定。
『リコリス・ピザ』

『リコリス・ピザ』は、『パンチドランク・ラブ』(2002)『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)『ザ・マスター』(2012)にて世界三大国際映画祭を制した若き巨匠、ポール・トーマス・アンダーソン監督最新作。1970年代のアメリカ、サンフェルナンド・バレーを舞台に、アラナとゲイリーの恋模様を描き出していく。
メインキャラクターのひとりであるゲイリー役を演じたのは、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子で、本作が長編映画への初出演となるクーパー・ホフマン。フィリップは、アンダーソン監督作品の常連者で、2014年に46歳という若さで他界した。その息子が本作の主演を務めているのだ。それだけでもファンは間違いなく心を揺さぶられるだろう。そしてアラナ役は、三人姉妹バンドのハイムのメンバーのアラナ・ハイムがふんしており、同じく本作が長編映画初出演となった。
主演に新人・若手俳優が起用された『リコリス・ピザ』だが、そんな俳優ふたりの新鮮な演技に、J・J・エイブラムスは大変魅了されたようで、「信じられないほどの素晴らしいデビュー・パフォーマンス」とコメントしていた。