『アベンジャーズ/エンドゲーム』予告編、新事実と新たな疑問を読み解く ─ あのキャラクターはどこへ?

2018年12月7日、映画『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』の予告編が全世界同時公開された。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)に続くシリーズ第4作の映像は、世界中のファンが今か今かと待ちわびていたもの。公開日についてはあらゆる噂が流れる中、本映像は事前告知なし、サプライズでの発表となった。
本記事では、いよいよ本格的に描かれはじめた“指パッチン後”、『アベンジャーズ/エンドゲーム』の予告編をつぶさに見ていくことで、作品に関する新事実と新たな疑問を整理していきたい。
この記事には、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『アントマン&ワスプ』のネタバレが含まれています。
トニー・スタークのメッセージ
『アベンジャーズ/エンドゲーム』の予告編は、破壊されたアイアンマンのヘルメットにトニー・スタークが手を伸ばす場面から始まる。ヘルメットを起動すると、トニーはおもむろに語りかけるのだ。
「ちゃんと動いてるかな。やあ、ミス・ポッツ。この録画を見ても、悪く思わないでほしい。旅の一部が終わるんだ。実は宇宙を漂流してて、助かる見込みはない。思ったより楽しいよ。食料と水は4日前になくなって、酸素も明日の朝には使い切って、それで終わり。でも、眠る時には君の夢を見るよ。いつも君のことを考えてる。」
トニーはヘルメットのスイッチを切る。トニーが乗っているのは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが乗ってきた宇宙船ベネター。サノスの指パッチン(正式名称は「The Decimation(大量虐殺)」)によって乗組員たちは塵と消えてしまったが、惑星タイタンにベネター号は残されていた。サノスによる「月落とし」でも致命的な破損は免れたのだろう、トニーはベネター号に乗ってタイタンを離れたとみられる。しかし、その旅路は残念ながら容易なものではなかったようだ。

サノスの“その後”
マーベル・スタジオの10周年記念ロゴが塵と消えていく、思わず心が痛む数秒間につづいて登場するのは、サノスが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で着用していたアーマーによるカカシだ。このカカシは、原案コミック『インフィニティ・ガントレット』(ShoPro Books刊)でジム・スターリン&ジョージ・ペレスが描いたものをモチーフとしている。
前作のラストにおいて、全宇宙の生命を半分にすることに成功したサノスは、どこか未知の惑星で安堵の表情を浮かべていた。『アベンジャーズ/エンドゲーム』では、“その後”のサノスが描かれることになる。本映像でサノスの表情は見えないが、その左腕には、“指パッチン”の影響で焼け焦げたガントレットが未だに装着されていた。全ての望みが達されたはずの今、なぜサノスはガントレットを着けていなければならないのか?
地球に残されたアベンジャーズ
「サノスは、自分がやると言っていたことを本当にやった。全生命の50%を消したの」。前作に続いてブロンドの髪で登場したナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウは語る。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)からの逃亡生活を経て、スティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカとブラック・ウィドウはアベンジャーズ基地に戻ってきた。しかし、そこにはトニー・スタークの姿もなければ、バッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーや、サム・ウィルソン/ファルコン、ヴィジョンやスカーレット・ウィッチもいない。

スティーブは涙を流し(前作で印象的だった髭を剃り落とされている)、ハルクに変身できないブルース・バナーは、「MISSING(行方不明)」の赤文字が光る顔写真を確認している。モニターに映し出されるのは、スコット・ラング/アントマン、シュリ、ピーター・パーカー/スパイダーマンだ。