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エズラ・ミラー、逮捕後も『ザ・フラッシュ』再撮影に参加していた ─ 起訴後の展開いかに

エズラ・ミラー ezra miller

数々の不祥事が問題視されている俳優のエズラ・ミラーが、主演を務めるDC映画『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』の再撮影に参加していたことがわかった。

The Hollywood Reporterによると、ミラーは「(2022年)夏にかけて予定されていた再撮影に参加した」とのこと。「どうやら何事もなく完了したようだ」とも言い添えられている。

2022年3月、ミラーはハワイにて治安びん乱行為とハラスメント違反のため逮捕。翌月にもハワイで第二級暴行罪のため逮捕されたのち、6月には、過去に暴行や脅迫などにより少女を支配したとして少女の両親から告発を受けていた。その後、8月7日(米国時間)には留守中の住居から酒瓶を盗み出したとして“重罪強盗”での起訴を受けている。

『ザ・フラッシュ』の再撮影は起訴前に終わっていたというが、この対応からは、少なくともワーナーが2度の逮捕をはじめとする不祥事をひとまず不問に処したことがわかる。3月の逮捕後にワーナーは対応を検討したようだが、6月にはテスト試写が大好評であること、なんとか公開に漕ぎつけたい意向であることが伝えられていた。代役を起用して全編を撮り直すのは難しいという判断から、予定通りミラーのまま再撮影に臨んだとみられる。

6月当時、米国のメディアでは「大きな批判を招かずに(公開を)実現する」ための条件として「ミラーがおとなしくしている」必要があると報じられた。しかし、これは8月の起訴によって(事件は5月に発生したものだが)あえなく崩れ去ったことになる。

ワーナー&DCは現時点で『ザ・フラッシュ』に関する計画を変更していないため、本作は2023年6月23日に米国公開予定のままだ。ただし先日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが『バットガール(原題:Batgirl)』を撮影後にお蔵入りとしたことは業界の内外から大きな批判を招いており、そんな中で『ザ・フラッシュ』が予定通り公開されれば、さらなる批判は避けられない。関係者によると、ワーナーは現在「すべての可能性を検討している」という。

『ザ・フラッシュ』の今後について、ひとつの参考となるのが、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』からグリンデルバルド役のジョニー・デップが降板した際の状況だ。元妻アンバー・ハードに対する暴力疑惑のあったデップは、英国のタブロイド紙・The Sunがデップを「妻殴り(wife beater)」と書いた件で名誉毀損の訴えを起こしていた。ワーナーが降板を決定したのは、2020年11月、この裁判にデップが敗訴したためだったのだ。

この前例を鑑みれば、ミラーの起訴をめぐる展開次第では『ザ・フラッシュ』にも変化が生じる可能性はある。ミラーは罪状認否のため9月26日に高等裁判所へ出廷するよう求められているため、少なくとも秋ごろにはワーナーも次の判断を迫られることになるだろう。

ちなみにデップの場合、『ファンタビ』の降板後、2022年6月にハードを相手取った名誉毀損裁判に勝訴。この時、ワーナーは『ファンタビ』の降板決定が性急な判断だったとして少なからぬ批判を浴びていた。こうした経緯も踏まえ、同社がミラーの続投・降板に関する判断を先送りにしていることも考えられる。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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