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スパイダーマン役トム・ホランド、映画監督たちのヒーロー映画批判に応答 ─ 「僕は本物の芸術作品だと思う」

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム バリ 記者会見 トム・ホランド
©THE RIVER

「あれは映画じゃない、よくできたテーマパークだ」「あんなものはクソくだらない」「他作品のコピー&ペーストに過ぎない」「壮大とは思えない」。これらは近年、ハリウッドの映画監督たちがマーベル映画、ひいてはスーパーヒーロー映画に向けてきた批判だ。それぞれマーティン・スコセッシリドリー・スコットドゥニ・ヴィルヌーヴジェームズ・キャメロンの言葉である。もちろん彼らには個別の意図があるわけだが、これらの発言は毎度のように業界関係者やファンの間で激しい議論を呼んでいる。

もっとも、いまやハリウッドを代表する一大ジャンルとなったスーパーヒーロー映画にはトップスターの俳優たちもこぞって出演している。監督たちによるスーパーヒーロー映画批判を、俳優はどのような思いで聞いているのだろうか? 米The Hollywood Reporterでは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』が大ヒット中の俳優トム・ホランドが思いの丈を語った。

トムが舌鋒を向けたのは、一連の批判の先駆けのひとりであるマーティン・スコセッシだった。「スコセッシに“マーベル映画を撮りたいと思いますか?”って聞いてきてもらえませんか。実際にどういうものかを知らないと思うんです、一度も撮ったことがないから」と、いかにもトムらしい言い回しで応答している。

「僕はマーベル映画も作ってきたし、アカデミー賞の界隈で話題になる映画も作ってきました。実際のところ、唯一の違いは、お金がかかっているかどうか。僕の役づくりのしかたや、監督のストーリーやキャラクターの組み立て方はまったく同じ。ただ、スケールが違う中でやるというだけ。だから僕が思うに、(スーパーヒーロー映画も)本物の芸術作品です。」

子役からキャリアを積み、『インポッシブル』(2012)や『白鯨との闘い』(2015)などに出演したトムは、スパイダーマン役に抜擢されてスターダムを駆け上がった。しかし、スパイダーマンを演じる合間には小~中規模の作品にもコンスタントに出演している。いわく、大作映画とそれ以外の映画には別のプレッシャーがあるというのだ。

「(大作映画の場合は)良い作品にせよ悪い作品にせよ、何百万人が観ることになります。一方で小さなインディーズ映画の場合は、本当に良い映画でなければ誰にも観てもらえない。まるでレベルの違うプレッシャーがあるんです。ベネディクト・カンバーバッチやロバート・ダウニー・Jr.、スカーレット・ヨハンソンにも聞いてみてください。彼らはオスカー級の映画を作りつつ、スーパーヒーロー映画にも出ています。彼らもきっと、“スケールが違うだけで同じだ”と言うと思いますよ。」

トムの発言はまさしく俳優目線のもので、『スパイダーマン』シリーズで共演しているゼンデイヤも、マーベル映画に批判的なドゥニ・ヴィルヌーヴによる『DUNE/デューン 砂の惑星』(2021)にメインキャストとして出演。そもそも、マーベル・シネマティック・ユニバースはアカデミー賞に名前を連ねるような錚々たる顔ぶれをスーパーヒーロー映画に引き込んだことが革新的だったと言えよう。それゆえにこそ、監督陣の批判をかきたてることになったという言い方もできるかもしれないが……。

ちなみにトムのコメントは、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の製作陣がアカデミー賞に意欲を燃やしているという報道とともに紹介されたもの。マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は「メッセージのある、世界中のさまざまな人々にとって意義を持つ商業映画を作ることは極めて困難なこと」だと語り、「幅広い層の人々に強く訴えかけるというストーリーテリングの芸術性」を評価するよう求めた。ファイギ社長の言葉は、間接的にスーパーヒーロー映画に対する批判への応答にもなっているだろう。なお、トムは「アカデミー賞映画にはヒーロースーツが少なすぎる」と述べている。

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Source: The Hollywood Reporter

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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