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マーク・ラファロはハルク単独映画の可能性について「コメントするなと言われている」

マーク・ラファロ 東京コミコン2019
©THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のファンが長年待ち望み、しかし未だ実現していないもの、それがハルク/ブルース・バナーの単独映画だ。MCUの黎明期には『インクレディブル・ハルク』(2008)が製作され、エドワード・ノートンが主演を務めたが、ブルース役がマーク・ラファロに交代して以降は単独映画が製作されていない。

なぜハルクの単独映画を作ることができないのか──その理由は、ハルクの映像化権を持つユニバーサル・ピクチャーズとマーベル・スタジオの“大人の事情”にある。マーベル・スタジオの設立以前(ディズニーの買収以前)、マーベルは経営のためにキャラクターの映像化権を他社に販売した。X-MENやファンタスティック・フォーは20世紀フォックスに、スパイダーマンはソニー・ピクチャーズに、ハルクはユニバーサルの手に。

現在、マーベル・スタジオはハルクをユニバーサルから借りている状態で、アンサンブルの一員として映画やテレビに登場させることは許されているが、単独映画の製作は認められていない。宣伝にも単独では使用できず、ポスターもシリーズの一部としてのみ許可が出ているのだ。

ところが2023年11月、ディズニーはユニバーサルとの新たな契約を結んだ。両社は米Huluの株式を共同で保有していたが、ディズニーがNBCユニバーサルの保有するHuluの株式33%を取得すると告知したのだ。12月1日(現地時間)、ディズニーはNBCユニバーサルに86億1,000万ドルを支払っている。

アベンジャーズ
『アベンジャーズ』ディズニープラスで配信中 © 2023 Marvel

では、これによってハルクの単独映画化、あるいはHuluにおける単独ドラマシリーズは実現できるようになるのだろうか? このいかにも難しい問いをぶつけられたのは、ハルク役のマーク・ラファロだった。「ディズニーとNBCユニバーサルが新しい契約を結びましたが、ハルクの単独映画に変化はありましたか?」との質問に、ラファロは「僕の知るところではないですね……」と応答。「その話にはコメントするなと言われているんです」

ラファロといえば、以前から“言ってはいけない話をつい言ってしまう”ことでおなじみ。「コメントするなと言われている」のは、ラファロの発言で思わぬ推測などが広がることを未然に防ぐためと言えそうだ。しかし、そのことをあっさり明かしてしまうのも、また別の推測を呼びそうではある。

もっとも、ラファロ自身は以前と変わらず、将来的な実現にも意欲的だ。「いずれ実現するといいですね。本当にいいものができると思うし、そのために頑張ってきました。でも、まだわかりません」

2020年4月、ラファロはハルクの単独映画について、「面白くなりそうなアイデアがある」と語っていた。それは『ブラック・ウィドウ』と同じく前日譚的なアプローチ。「まだ彼(ブルース)の人生をきちんと描いたことがありませんから。[中略]それぞれの映画の間で何があったのか、空白を埋めていくのは面白いと思う」と話したのだ。

いずれ“大人の事情”が解決し、ハルクの単独映画を再び観られる日が来るかどうか。すべてはスタジオや企業の幹部にかかっている。

Source: ComicBook.com, Deadline

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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