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【特集】キャプテン・アメリカはどこへ向かう ― 『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』アイアンマン、そして世界との対立を追う

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』より (C)2016 Marvel
ジョー・ルッソ監督は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のトニーについて「(『シビル・ウォー』で)起こってしまったことに対する罪悪感を抱いているんです。けれども彼に(スティーブやバッキーを)許す準備があるかどうかはわかりません」述べる。その一方でクリスは、トニーとスティーブについて「お互いを恨むような人間ではない」言い切るのだ。

「きちんと分けて考えられると思うんです。自分たちの行動の多くについて、理にかなった方法を取って、感情を現実に作用させたりしない。(『シビル・ウォー』から)数年経ちましたが、二人とも、気持ちが切り替わっていない部分や、思い出さないようにしていることはあるかもしれませんね。」

『シビル・ウォー』のラストで、傷ついたトニーの元にはスティーブから携帯電話が届けられていた。トニー役のロバート・ダウニー・Jr.「二人の関係は変化を迎える」と述べているあたり、おそらくこの電話が二人を結ぶキーアイテムとなるのだろう。

トニーとスティーブの対立によって、今やアベンジャーズという組織そのものが大きな危機にさらされている。では、かつてアイアンマンとのツートップであったキャプテン・アメリカの“現在地”はいかなるものか?

この映画(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』)でもキャップはリーダーだと思います。ハイテクなアベンジャーズのシステムこそありませんが……どう言えばいいでしょうか。今でも彼は、心の奥底ではリーダーだと思うんですよ。これまでと同じような組織の系統が必要かはわからないですけどね。」

ちなみに脚本家のクリストファー・マルクスは、そんなキャプテン・アメリカにとって、史上最凶のヴィラン・サノスとの対決は「史上最も厳しい戦い」であり、「彼は思わぬ真実に向き合うことになるのかもしれません」述べている

クリス・エヴァンス

クリス・エヴァンス
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/14615990538/
1981年生まれのクリス・エヴァンスは、1997年より俳優活動を本格的に開始。スカーレット・ヨハンソンが主演ではないにもかかわらず『スカーレット・ヨハンソンの百点満点大作戦』(2004)という恐ろしい邦題が付けられた作品で主役級を演じたり、『セルラー』(2004)でジェイソン・ステイサムやキム・ベイシンガーと共演したのち、彼はあるコミック・ヒーローと出会うことになる。それが『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(2005)、『ファンタスティック・フォー:銀河の危機』(2007)のジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ役、彼にとって“もう一人のマーベル・ヒーロー”だ。

その後『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ集団』(2010)を経てキャプテン・アメリカ役に就任した彼は、カメオ出演も含めると2011年から2019年まで毎年スーツに身を包んでスクリーンに登場。精力的な活動のかたわら、『スノーピアサー』(2013)や『gifted/ギフテッド』(2017)などに出演、2018年にはブロードウェイにて舞台デビューも果たしている。以前より監督業へ進出する夢も語っているなど、さらなる活躍が楽しみな人物だ。

そんなクリスは、2019年公開『アベンジャーズ/エンドゲーム(邦題未定、原題:Avengers: Endgame)』をもってキャプテン・アメリカ役からの卒業を明言している。「追い出される前に電車を降りたい」と語った胸中を観客が察することは難しいが、前述の通り、今後のキャリアにも期待がかかる。残り2本、クリスはどんなキャプテン・アメリカを見せてくれるのか?

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日より全国ロードショー

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公式サイト:http://cpn.disney.co.jp/avengers-iw/

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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