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マイケル・キートン版『バットマン』新作映画が頓挫 ─ DCスタジオ新体制の決定、キャットウーマン再登場案もあった

バットマン(1989)
© Warner Bros. Entertainment, Inc.

ジェームズ・ガン&ピーター・サフラン率いる新体制「DCスタジオ」のもと、マイケル・キートンが再び主演を務める『バットマン』の新作単独映画が中止となっていたことがわかった。米The Hollywood Reporterなどが報じている。

事の発端は、ガル・ガドット主演『ワンダーウーマン』第3作がDCスタジオによって中止されたというニュースだった。ガン&サフランの新機軸にパティ・ジェンキンス監督らの脚本が一致しなかったとも、そもそもワーナー・ブラザース映画部門を統括するマイケル・デ・ルカ&パメラ・アブディが脚本の出来に納得しなかったとも言われるが、いずれにせよジェンキンス監督は企画を離脱したというのである。

この報道に続き、ジャーナリストのジェフ・スナイダー氏は、ポッドキャスト「The Hot Mic」にて、マイケル・キートン主演のバットマン映画が中止されたとの情報を明かしている。脚本を執筆していたのは、『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020)や『ザ・フラッシュ(原題)』のクリスティーナ・ホドソン。お蔵入りになった『バットガール(原題)』もホドソンの脚本だったため、再び自身のストーリーを断念する結果となった。

スナイダー氏によると、ガン&サフランによる新体制はキートン版『バットマン』をこのタイミングで製作することを受け入れず、バットマン映画はマット・リーヴス監督による『THE BATMAN -ザ・バットマン-』(2022)のシリーズに集中するよう求めたという。しかしキートンは、『ザ・フラッシュ』でバットマン役に復帰する条件として、将来的な単独映画の製作を視野に入れていたともいわれる。これらの情報が真実なら、状況はいささか複雑そうだ。

もともとキートンは『バットマン』(1989)『バットマン リターンズ』(1992)でバットマン/ブルース・ウェイン役を演じ、ファンの間で広く受け入れられていた。復活にあたっては『ザ・フラッシュ』のほか、『バットガール』や『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』にも登場予定だったといわれるが、前者はお蔵入り、後者は試写の反応を受けて出番をカット(ベン・アフレックに変更)されたという。単独映画も頓挫となると、いよいよ残りの出番は『ザ・フラッシュ』しかない。

また、米The Wrapのウンベルト・ゴンザレス氏は、このキートン版『バットマン』が、アニメシリーズ「バットマン・ザ・フューチャー」(1999-2001)に基づくものだったと伝えている。同作は近未来的なゴッサムシティを舞台に、年老いたブルース・ウェインが、新たなバットマンとなる高校生テリー・マクギニスのメンターとして活躍するストーリーだ。

The Hollywood Reporterは、キートン版『バットマン』が『ザ・フラッシュ』から派生した映画となるはずだったこと、「バットマン・ザ・フューチャー」に基づいていたこと、脚本をホドソンが執筆していたことを認めつつ、ふたつの事実を示している。ひとつは、ホドソンのアイデアをワーナーの幹部陣は当初喜んでいたが、ガン&サフランの就任2週間後に執筆の中断を求められたこと。もうひとつは、バットマンとキャットウーマンの恋愛を描く計画だったことだ。もっとも、キャットウーマン/セリーナ・カイル役にミシェル・ファイファーが復帰していたかどうかまではわからない。

なお、ガンは『ワンダーウーマン』第3作の中止報道後に声明を発表。「ピーターと僕がDCスタジオに就任した時点で、物語も観客も扱いが難しい状況になっていることはわかっていました」「全ての人を幸せにすることはできないことはわかっています。それでも、僕たちが行う全てはストーリーのため。あなたが大切にしている、そして僕たち自身も生涯かけて大切にしてきたDCキャラクターのために尽くすことを約束します」と宣言した。

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Sources: The Hot Mic, The Hollywood Reporter

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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