Menu
(0)

Search

『ザ・フラッシュ』スーパーマン&ワンダーウーマンの登場シーンをカットへ

ガル・ガドット ヘンリー・カヴィル
Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/41950995080/ | THE RIVER | Remixed by THE RIVER

DC映画『ザ・フラッシュ(原題:The Flash)』から、スーパーマン(ヘンリー・カヴィル)とワンダーウーマン(ガル・ガドット)の登場シーンがカットされることになりそうだ。米The Hollywood Reporterが報じている。

『ジャスティス・リーグ』(2017)に登場したフラッシュ/バリー・アレンの単独映画となる『ザ・フラッシュ』は、DC映画にいよいよ“マルチバース”の概念を導入する一作。主演はエズラ・ミラーが務め、バットマン役でマイケル・キートンが復帰することも話題を呼んだ。フラッシュが複数の世界線を行き来するとみられる同作には、おなじみのDCヒーローたちがカメオ登場することも期待されていたのだ。

しかし今回の報道によると、現時点で『ザ・フラッシュ』からスーパーマンとワンダーウーマンの登場シーンは削除されているという。カヴィルとガドットはそれぞれのカメオ出演シーンを撮影済みだったが、ワーナー・ブラザース/DCの判断で両者の出番は使われないこととなりそうだ。言わずもがな、この背景には、カヴィルのスーパーマン役復帰が撤回されたこと、パティ・ジェンキンス監督による『ワンダーウーマン』第3作が中止されたことがある。現状、両者が再びDC映画に登場する計画は存在しないのだ。

一連の決定は、ジェームズ・ガン&ピーター・サフランが率いるDCスタジオの新戦略に基づくもの。今後に関する正式発表は2023年初頭になされる予定だが、現在の動きを見るだけでも、ガン&サフランがDC映画の全面刷新を意図していることは明らかだろう。カヴィルのスーパーマン復帰は『ブラックアダム』主演・製作のドウェイン・ジョンソンによって働きかけられたものだが、両者はこれを覆した格好だ。

もともとドウェインは、2022年10月までDC映画を指揮していたウォルター・ハマダに対してカヴィルの復帰を交渉していたとされる。ハマダは受け入れなかったが、彼の退社後、新たにワーナーの統括役となったマイケル・デ・ルカ&パメラ・アブディはこれを容認。かくしてカヴィルの本格復帰が動き出したわけだが、その後ふたりはガン&サフランにDC映画の指揮を任せている。そして起こったのが、新体制のDCスタジオによるユニバース再構築なのだ。

ガンはInstagramにて、ファンの質問に対し「『ブラックアダム』周りのことはすべて自分が入る前に決まっていたもの」とコメント。また、とある関係者は「ドウェインはDCを操ろうとして失敗した。結局のところ、カヴィルはその駒にすぎなかったのだ」と語ったという。

このまま『ザ・フラッシュ』の出演シーンが復活しない場合、やはりカヴィルがスーパーマンとして再登場する予定はない。DCスタジオはカヴィルに対し、将来的に新たなプロジェクトを開発することを口頭で約束したというが、正式な契約は結ばれていないのが現状だ。ガン&サフランは今後の計画をカヴィルに伝え、いずれ別の役柄で再登場する可能性も伝えたとされる。

なお、ガドットは『シャザム!~神々の怒り~』にも出演していることが以前公式に判明していたが、そちらの動向は不明。ガン&サフランはアクアマン役のジェイソン・モモアとも面会したとされるが、モモアの『ザ・フラッシュ』への関与もわからないままだ。2023年12月25日に米国公開となる『アクアマン・アンド・ザ・ロスト・キングダム(原題)』ののち、モモア演じるアクアマンが再登場するかどうかも今となっては未知数である。

映画『ザ・フラッシュ(原題)』は2023年6月16日に米国公開予定

Checkシリーズ:激震 DCユニバース再編
  1. 1. 【解説】ジェームズ・ガン、DC新リーダーに就任 ─ その経緯とマーベルでの今後について
  2. 2. 【解説】ジェームズ・ガンが新DC公約発表、「ファンの意見聞く」「史上最大の物語を語る」「マルチバース」
  3. 3. DCドラマ・アニメ・ゲームはDC映画とつながる、ジェームズ・ガンが認める
  4. 4. 【ネタバレ解説】『ブラックアダム』エンディングおまけシーンの全て ─ 何が起きたのか?ぜんぶ説明
  5. 5. 映画『ワンダーウーマン3』製作中止
  6. 6. ジェームズ・ガン「全員を幸せにはできない」 ─ 『ワンダーウーマン3』中止報道うけ声明「DCのため尽くすと誓う」
  7. 7. マイケル・キートン版『バットマン』新作映画が頓挫 ─ DCスタジオ新体制の決定、キャットウーマン再登場案もあった
  8. 8. 【解説】『ワンダーウーマン3』中止報道受けパティ・ジェンキンス監督が声明、「事実と異なる」と否定も
  9. 9. スーパーマン新映画が判明、ヘンリー・カヴィル起用されず ─ ジェームズ・ガン自ら執筆中
  10. 10. ヘンリー・カヴィル、スーパーマンに復帰しないと認める ─ ファンにお別れの声明を発表
  11. 11. 『ザ・フラッシュ』スーパーマン&ワンダーウーマンの登場シーンをカットへ
  12. 12. ジェームズ・ガン、誹謗中傷受け一部のDCファンに声明 ─ 過去作すべて終了説を否定
  13. 13. ブラックアダム 、新DCユニバースから外れる ─ マルチバース再登場を示唆
  14. 14. 『シャザム!』ザッカリー・リーヴァイ、動揺するDCファンに「ジェームズ・ガンを信じて」とメッセージ
  15. 15. スーパーマン役の新キャスティング、発表は当面先に ─ 「まだ誰にも決まっていない」とジェームズ・ガン
  16. 16. 「僕はこれからもアクアマン」ジェイソン・モモアが続投表明 ─ ジェームズ・ガンらと面会、別の役柄も示唆
  17. 17. 【全訳】新DCユニバース第1章『Gods and Monsters』大発表 ─ DCがリセット、新作10タイトルと注目ポイント解説
  18. 18. 『ブラックアダム』ドウェイン・ジョンソン、ヘンリー・カヴィルのスーパーマン降板に言及 ─ 「最善は尽くした」

Source: The Hollywood Reporter

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly