ロバート・ダウニー・Jr.、アイアンマン役で「やれることは全てやった」 ─ 「物事には終わりがある」と心境明かす

2008年の『アイアンマン』からマーベル・シネマティック・ユニバースの顔として10年以上にわたってフランチャイズを牽引してきたロバート・ダウニー・Jr.は、2019年の『アベンジャーズ/エンドゲーム』で、アイアンマン/トニー・スタークという役に大きな一区切りをつけた。『エンドゲーム』を演じてから2年が経とうとしている現在、ダウニーが印Hindustan Timesにて今の心境を明かしている。
アイアンマン役への挑戦について訊かれたダウニーは、「トニー、そしてアイアンマン役は大変でした」と返答。だからこそなのだろう、「深く掘り下げました」とダウニーは続ける。「素晴らしい10年間でしたし、クリエイティブ面でも満足でした」。
長い時間を共にしたアイアンマン役から退いたことに対しては、「このキャラクターでやれることは全てやりました」とダウニー。2020年1月には、アイアンマン再登場の可能性について「どんなこともあり得ます」と答えていたダウニーだが、それから約11ヶ月、心境にも変化があったのか「中年になった今、(出演した)9作品を振り返ると、これは全て旅の一部であって、物事には終わりがあるということを悟るんです」と明かしている。「自分がいる今場所で終われて幸運ですし、一生感謝しています」。
“終われて”という発言から察するに、現時点でダウニーはアイアンマン再演については考えていない模様。去る2020年11月には、マーベル・スタジオ側も「復活はわからない」「今のところ計画はない」という見解を出しているから、当分は再演の予定も無いのだろう。
とはいえ、このたびの取材で「ロバート・ダウニー・Jr.の中には、どれほどのトニー・スタークが残っていますか?」と訊かれたダウニーは、「あるところでは残っていると思いますね」と返答。「Footprint Coalition(ダウニーが設立した環境保全組織)でテクノロジーに基づいた気候変動の解決に取り組んだり、テクノロジーを題材としたYouTubeオリジナル作品『The Age of A.I.(原題)』を作ったりしてますから」。
役者として、トニー・スタークに約10年を捧げてきたダウニーは、そのトニーから学んだことを、“ロバート・ダウニー・Jr.”として実世界に活かそうと励んでいるのだろう。かたや、「私は審美的距離※というものを信じています。私はトニーじゃないんです」とも語るダウニー。大役を終えた今、いち人間として前に進むダウニーが見据えているのは、どのような道なのだろう……。
※鑑賞者の意識的現実と芸術作品に提示される架空の現実との間のギャップのこと。
Source: Hindustan Times