ロバート・ダウニー・Jr.、トニー・スターク役の熱演は「見落とされていた」 ─ 「マーベルという繭の中にいた」
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の立役者であるロバート・ダウニー・Jr.はいま、役者として“羽化”の時期にある。MCUでの11年を終えたダウニーは、クリストファー・ノーラン監督の『オッペンハイマー』でのルイス・ストローズ役が高く評価されてゴールデングローブ賞助演男優賞を映画賞としては自身初受賞。アカデミー賞でのノミネートにも期待がかかっているところだ。
押しも押されぬ人気俳優だが、一方で『アイアンマン』や『アベンジャーズ』シリーズでの演技が、世間や批評家から注目されることは少ない。トニー・スターク役を演じる際、ダウニーは決して鋼鉄のマスクに素顔を隠して、VFXのロケット砲を打ちまくっていたわけではない。依存症やPTSDのモチーフや、倫理ジレンマを巧みに演じているのだ。
「マーベルという繭(まゆ)の中にいた時、私は最高の仕事をしていたと思います。それからは、とても無防備になった気がします。ジャンルの性質上、見落とされがちでしたけどね」と、ダウニーはゲスト出演したポッドキャスト番組で告白。スーパーヒーロー映画というジャンル性が先行するために、自身の演技に目が向けられる機会が不足していた自覚を口にしている。
ダウニーは『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でトニー・スターク役を卒業した後のことを、「足元から敷物が引き抜かれた」ような感覚だったと喩えている。「自信と安心に対する私の理解とは対照的に、私が頼りにしていたものが全て蒸発した。そのことが、私に学びの性質を与えました」。
「そして、生徒(=自分のこと)の準備が整うと、あのノーランがやってくるわけです。つまり、先生がやってくる、そういうわけです」と続けているダウニーだが、過去にはアイアンマン役ばかりを演じ続けたことで「自分の筋肉が衰えるのではないか」と不安を感じていた日々もあったことを語っていたことも。そこにノーランが現れ、「他の筋肉を鍛えよう。君にとってお決まりになっていることを止めた自分を表現しながら、他の筋肉を鍛えればいい」と助言を与えてくれたのだそうだ。新たな“先生”ノーランの助力を得て、ダウニーは次なる空へと羽ばたく。
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Source:Literally! With Rob Lowe