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ノーラン、『オッペンハイマー』脚本を一人称で書いた理由 ─ 「意味が分かった時、責任重大だと感じた」とキリアン・マーフィー、 特別映像が公開

オッペンハイマー
© Universal Pictures. All Rights Reserved.

クリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』が待望の日本公開を迎えたことを記念して、キリアン・マーフィー、ロバート・ダウニー・Jr.らキャストが登場する「クリストファー・ノーラン監督『オッペンハイマー』アカデミー賞®キャスト特別映像」が公開された。

映像は、ロスアラモスの砂漠で実験に挑むオッペンハイマーが、「我々は未来を想像し、その未来に恐怖を覚える」と世界を変える可能性に言及する場面から始まる。アカデミー賞®主演男優賞に輝いたキリアン・マーフィーが演じるJ・ロバート・オッペンハイマーはアメリカの国家プロジェクト「マンハッタン計画」を率いた人物。彼の頭脳と心に観客を導くために、監督・脚本・製作のクリストファー・ノーランは「初めて一人称で脚本を書きました。オッペンハイマーの視点で読み進めてほしかった」と語っている。

オッペンハイマー
© Universal Pictures. All Rights Reserved.

脚本を読んだマーフィーは「珍しい形式だから一瞬戸惑いましたけど、意味が分かった時、責任重大だと感じました」と気を引き締めたという。主役にキリアンが決定すると、監督は「脇を固める名優も必要だ」と、ロスアラモス研究所に集う科学者、軍人、家族らのキャスティングを進めた。エミリー・ブラントは「クリス(クリストファー)に呼ばれたらどんな作品でも出ます」と妻キティ・オッペンハイマー役を快諾。かつての恋人ジーン・タトロック役のフローレンス・ピューも「断るなんてイカれてます。おそらくみんなそう言うはず」と出演を決めたという。

戦後、オッペンハイマーと対立することになるアメリカ原子力委員会の委員長で米海軍少将の難役ルイス・ストローズを演じて、初のアカデミー賞®助演男優賞を受賞したロバート・ダウニー・Jr.は、「台本を読んだ瞬間、非常に鋭いビジョンがあると感じました。それを再現できたら名作になるでしょう」と確信したそう。“ビジョン”とは、オッペンハイマーの主観をカラーで描き、戦後に出会った後、やがてオッペンハイマーと対立していくストローズのパートをモノクロで撮影したノーラン監督の映像表現への挑戦を指している。

オッペンハイマー
© Universal Pictures. All Rights Reserved.

続いて、マンハッタン計画を最高責任者レズリー・グローヴス役のマット・デイモンが登場。米陸軍の将校である「グローヴスを知るため彼の経歴を調べ、クリスに人物像を確認しました。軍人のグローヴスはいわば科学者たちの子守役です」と、研究に没頭し予測不能な科学者たちを見守る存在だったと明かす。ダウニー・Jr.は、「ストローズという人物を中立的な視点で理解しました。有能で正義感の強い役人だが常に画策している。裏で糸を引いているんです」と、時には強引に計画を進めるストローズを体現した。

オッペンハイマー
© Universal Pictures. All Rights Reserved.

エミリー・ブラントが「女性らしさを求める風潮に、キティ・オッペンハイマーは逆らいました。彼女の反骨精神にすごく心を引かれました」と語れば、フローレンス・ピューは「ジーン・タトロックは利己的ですけど、オッペンハイマーをはじめ誰も彼女をとがめません」と話し、先見的なふたりのキャラクターを作り上げていった。

「オッペンハイマーの視点は特異です。物理学者としての行動や責任にすごく興味がありました」とマーフィー。2人の俳優をアカデミー賞®ダブル受賞に導き、自身も初となる監督賞に輝いたノーラン監督は「主要キャストの演技力に加えて、全体としての調和も重視しています。それを肌で感じているのは役者自身。監督として彼らの視点を持つために毎日現場に足を運びました」と結んだ。

クリストファー・ノーラン監督と俳優たちの名演技が結実した『オッペンハイマー』は全国の劇場で絶賛上映中。IMAX®劇場 全国50館 /Dolby Cinema®/35mmフィルム版 同時公開。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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