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米俳優ストライキ、2024年まで続く可能性も ─ 再び決裂すれば年内打ち切りの意向

Photo by Jaguirre2192 https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SAG_AFTRA_Building.jpg Remixed by THE RIVER

全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)によるストライキについて、大手スタジオを擁する全米映画テレビ製作者協会(AMPTP)が契約交渉を2024年以降に持ち越しとする可能性が生じている。米The Wrapが報じている。

2023年7月のスト開始から100日以上が経過した現在、両者の主張の溝は埋まらず、連日にわたって交渉が行われている。最新の話し合いは現地時間10月27日。SAG-AFTRAの交渉担当者であるダンカン・クラブツリー・アイルランドは、米Deadlineに対して「100%公正公平な契約に集中します」とコメントし、交渉合意について「そうなる可能性を慎重に楽観視しています」と前向きな姿勢も見せている。

こうした中、スタジオ側の思惑に詳しい情報筋によると、AMPTPが考える交渉の理想的な落とし所は2023年11月初旬だという。SAG-AFTRA側に「1週間の猶予」を与え、契約合意に至らなかった場合は、「交渉を年内いっぱい打ち切る意向だ」という。

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この思惑の背景には、製作再開の時期が大きく関係している。毎年11月下旬に訪れる大型連休のサンクスギビング(感謝祭)を過ぎた場合、スタジオ側は「いかなるプロジェクトも、製作に取り掛かる可能性は低くなると考えており、全てを新年に先送りにする」意向なのだという。これを避けるためには、現在行われている協議で決着させる必要がある。

賃上げや福利厚生の改善に加え、争点の大きな一つとなっているのが、ストリーミングサービス作品の視聴者数に基づく追加報酬。10月上旬に行われた交渉の席でSAG-AFTRAは新たにこれを要求したとされ、AMPTPは「耐え難い経済的負担」として、交渉を一時中断していた。

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AMPTPは改善に向け、各大手スタジオのトップを交えた協議を行なっており、24日の再開後には新たな改善オファーを提出。これに対し、SAG-AFTRA側は「精査」するために翌25日の交渉を取りやめた。この決断にはAMPTP内部で「驚きの声が上がった」とされており、「交渉再開にあたり希望の持てる合図だ」と受け止めているという。

今回、交渉が再び決裂となった場合、ハリウッド映画の公開は軒並み延期となり、スタジオ側も「新作映画を2024年夏まで公開することはできない」と考えている。この1週間が運命の分かれ目となる。

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Source:The Wrap,Deadline

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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