フレッシュな才能集結『アフターサン／aftersun』公開決定 ─ オバマ元大統領もイチオシ、A24も惚れた

第95回アカデミー賞主演男優賞、そして英国アカデミー賞4部門（英国作品賞、主演男優賞、新人賞、キャスティング賞）にノミネートされている注目作『aftersun（原題）』が、『aftersun／アフターサン』の邦題で 2023年5月26 日より全国公開されることが決定した。

本作は、11歳のソフィが父カラムと二人きりで過ごした夏休みを、その20年後に当時の父親と同じ年齢になったソフィの視点で描く。陽光注ぐ浜辺、日焼け止めの匂い、大きな波音、そして今も残る父親の手の感覚……。多くを語らず、ミニマリスティックな演出で観る者に深い余韻をもたらす本作は、人々の心の片隅に存在する、大切な人との大切な記憶を揺り起こす。

2022年カンヌ国際映画祭・批評家週間での上映を皮切りに評判を呼び、話題作を次々と手がけるスタジオA24が北米配給権を獲得した注目作だ。

公開された場面写真には、20 年前にソフィがカラムと共に過ごした、ひと夏のかけがえのない思い出が切り取られている。ある場面写真では、若くして父親になったカラムと、思春期真っ只中のソフィが、まるで年の離れた兄妹のように撮影された。トルコのリゾート地のキラキラした水面、移動のバスの中、片時も離れたくないとばかりに父の腕をぎゅっとつかむソフィ、娘を愛おしそうに見つめるカラムの視線など、宝もののような記憶が描かれている。

監督・脚本を務めているのは、本作で長編デビューを飾ったスコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。製作には『ムーンライト』（2016）バリー・ジェンキンスが携わっている。

ソフィ役を演じるのは、半年にわたるオーディションで800人の中から選ばれた新人フランキー・コリオ。そして、父カラム役には「ロスト・ドーター」（2021）のポール・メスカルが演じており、メスカルは本年度のアカデミー賞主演男優賞および英国アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。

本作はバラク・オバマ元米大統領のお気に入り映画にも選出されるなど、本年度を代表する1本となっている。アカデミー賞と英国アカデミー賞授賞式を控えているなか、本作がノミネート部門で受賞となるのか、期待したい。

『aftersun／アフターサン』は2023年5月26日（金）よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿ピカデリーほか全国公開。