スティーブン・スピルバーグの製作会社アンブリン、Netflixとパートナー契約を締結 ─ 年間複数本の長編映画を発表へ

映画監督スティーブン・スピルバーグの製作会社、アンブリン・パートナーズがNetflixとパートナーシップ契約を締結した。ストリーミングサービスの台頭、コロナ禍による業界の変化の中、ついに業界の巨頭が大きな動きに踏み切ったことになる。
米Netflixのプレスリリースによると、アンブリンとNetflixは一年間につき複数本の長編映画を発表する。アンブリンは映画部門のアンブリン・エンターテインメント、テレビ部門のアンブリン・テレビジョンからなるが、発表には「長編映画」とのみ記されており、テレビ作品に関する条件は不明。契約期間についても明かされていない。なお、アンブリンは米ユニバーサル・ピクチャーズともパートナーシップ契約を結んでいるため、両契約は共存することになる。
以前からスピルバーグは、Netflixをはじめとする配信サービスの映画作品に懐疑的な見方を示してきた。2018年3月には、Netflix作品がアカデミー賞にノミネートされることについて「テレビのフォーマットに作品を委ねたら、それはテレビ映画です。エミー賞には値しますが、オスカーにはふさわしくない」とコメント。あくまでも劇場体験を重視する姿勢も示していたため、自身の製作会社とNetflixとの契約は思わぬ展開だと言える。
しかしながら、スピルバーグは一概に配信作品を否定してきたわけではなく、プロデューサーとして配信サービスの映画・ドラマに関与してきた。アンブリンもNetflixとは『シカゴ7裁判』(2020)のほか、ブラッドリー・クーパー監督・主演映画『Maestro(原題)』、「ストレンジャー・シングス 未知の世界」(2016-)ダファー兄弟の新作ドラマシリーズ「Talisman(原題)」で協働する。『Maestro』「Talisman」にはスピルバーグ自身も参加する予定だ。
今回のパートナーシップ契約を受けて、Netflixはアンブリン作品への出資も行うとみられている。一方で気になるのは、今後、スピルバーグがNetflix作品の監督を務める可能性だ。米Varietyは「ありうる」としているが、実際のところは不明。現在、スピルバーグは自身の幼少期から着想を得た新作映画(タイトル未定)を準備中だが、この作品はユニバーサルが配給権を獲得する見込みだ。
契約締結にあたり、スピルバーグは「アンブリンでは、すべての中心にストーリーがあります。テッド(・サランドス/Netflix社CEO)とパートナーシップの話し合いを始めた時から、新たなストーリーをともに語り、新たな形で観客に届ける機会だということは十分にわかっていました」との声明を発表。ユニバーサルほかとのパートナー企業との関係性を継続する意志を明言しながら、Netflixとの新たな取り組みに期待を寄せた。
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Sources: Netflix, Deadline, Variety